アラベスクもしくはトロイメライ 15
第三章 六
8月25日(水)
恐らく私達は、皆、最初からどこか壊れていたのだろう。
樋賀 砂奈も志摩 華唯も、もちろん、私、花園 風花も。
欠陥品であった私達は、その欠けた部分を埋め合うように、お互いを求めた。
そのピースは嵌まり合うことは無かったけれど。
私達はいつかこの関係に終わりが来ることを気が付いていながら、気づかないふりをして笑っていた。甘い甘い時の中に、どうしようもなく醜くて、ずるい自分たちを隠したのだ。
どうせならば、最後まで気が付かなければよかった。
こんな真実なんて、本当につまらないし、くだらない。
それを志摩華唯が持ってきたことを私は責められないけれど。
だって、彼女は壊したがりだから。
~花園風花の日記より~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?