アラベスクもしくはトロイメライ 4
5月7日(金)
今日初めて、樋賀砂奈と話した。
彼女はやはり私が睨んだ通り。巧みに隠しているからこの秘密に気付いている人はいないだろうけど。
でも、不思議なのは彼女がなぜそれを実行しようとしないのか、という事。真っ白な手首は、傷ひとつついていなくて、奇麗そのもの。まぁ、他の方法で試しているのかもしれないし、それとも他に躊躇うような何かがあるのかもしれないし。
ま、どーでもいいか。
私は名が欲しいのであって、彼女を追い詰めることが目的じゃないし、別にそれをして欲しいとも思ってないし。
そこを間違えちゃだめ、きっと。
ただ、名が欲しい。
ただ、それだけ。
by花園風花の日記より
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