枯山水、蒔絵を現代アートに取り込む。
「日本」というテーマを私の作品にどんな風に落とし込もうか考えた時、
日本のようなモチーフ、例えば「桜」「富士山」でも良かったのですが
なんかしっくり来ないな、、
と思いながら日本っぽいものを探していると
「蒔絵」「日本庭園」に辿り着きました。
静岡の熱海へ旅行しに行った時にMOA美術館へ行き
そこで多数の「蒔絵」をみて、なんて繊細で綺麗なんだろうと
印象に残っていました。
その時の記憶が脳の片隅に大事にしまってあった様子です。
千と千尋の神隠しで銭婆が千尋を送る時に放った名言、
「一度あったことは忘れないものさ。思い出せないだけで…」
が頭に浮かびました。
いざとなった時にそれは記憶の奥深くから出てくるものですね。
蒔絵とは漆で絵を描きそこに金粉や銀粉を蒔きつけて文様を表しています。
本作品の黒色の部分は「うるし」を表しております。
また日本独特の庭園の「枯山水」からにもインスピレーションを受けております。
枯山水とは水を使わずに石や砂利で自然を表現した庭園です。
侘び寂びを捉え、無駄なものを省いた美しさがあります。
そんな質素、飾り気がないながらもどこかそれが美しいと思える様、
蒔絵からインスピレーションを受け、生成された金色の波の様な模様とうるしを表した黒で「日本」を表現しました。
緑色の部分は地球に存在している大地や水という美しい自然を表現しております。画面右側はその表現を日本の文化や伝統工芸、「蒔絵」、「枯山水」からインスピレーションを受け、再構築したものであります。
作品情報
◼︎タイトル SUI
◼︎サイズ 455*380*30mm
◼︎キャンバス、アクリル、盛り上げ材、真鍮
◼︎2024年製作
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?