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スポーツとお金と家族の話
9/6から始まった「スポレボ」のクラウドファンディングも、あと8日となりました。
まずは、これまでご支援いただいた約170人の方、本当にありがとうございます…!
そして、私はこのクラウドファンディング期間に200名ほどの新しい方とお会いし、既存の方も含めると300-400名くらいは、このプロジェクトのことを知ってくれているのではないかと思います。
1人1人に一生懸命説明はさせていただくのですが、どうしても時間が足りなかったり、うまく説明ができないこともあり、理解してもらえず悔しい思いもたくさんしてきました。
私の力不足もありますが、事実としてわかったことがあります。
それは、スポーツに仕事として携わる「当事者」の本プロジェクトの支援率がとても低いということです。
しかし、これが業界の事実なんだと改めて認識しました。
とても迷ったのですが、過去の話をしようと思います。私がここまでやる本当の理由です。
決してポジティブな内容ではないので、苦手な方はこちらを読んでいだけると良いかなと思います。
貧しくなったからスポーツの現場を離れました
私も当事者でした。
大学4年の最後までみっちり勉強し、現場実習を詰んで、無事アスレティックトレーナーとして就職。
就職してまもなく、私は上司トレーナーからのハラスメントに遭います。
常に伝言係を使って私に指示をし、かと思いきや指導の範疇を超えた10-20人の前で揚げ足取りの指摘をする。「おはようございます」「お疲れ様でした」以外の1対1のコミュニケーションを避けられる日々。
何か気に障ったことがあったのでしょう、4月から働き始め、4月下旬にはもうその状態でした。
なんとか打破しようとセッティグしたMTGも目を合わせてくれることは無く、他の仕事をしながら聞いている上司の背中に語りかけるのみ。
私は各方面に働きかけ、全国常勝チームのトレーナーのオファーをいただき事態が好転するかと思いきや、上司がそのオファーに断りを入れ、無かったことに。
終業後、勤務中に時間がなくて食べられなかった冷たい弁当を食べながら、数えきれないくらい何度も泣きました。
好きでやりたいと思った仕事が、好きではなくなっていく日々に段々と心が貧しくなり、生きた心地がしなくなった頃、私は涙が止まらない状態になってしまいました。紛れも無い「鬱」状態です。
鬱になってからも、私は職場は行き続けました。
スポーツはどこまで行っても人と人との繋がりが強いです。
今まで関わってくれた人や頼ってくれている目の前の選手を裏切るような感覚がして、離れられなかったのです。
何も意欲が湧かず、職場に行くこと以外考えられないのでとりあえず行ってましたが、ある日別の部署の方から「もう明日から職場に行かない方が良い」というSTOPが出て、私のアスレティックトレーナーとしてのキャリアは終了しました。
お金の貧しさは心の貧しさにつながる
当時の私の手取り給与は月17万円台で、上司も+数万円程度だったと思います。
どんなに頑張っても生活に十分な水準の報酬をもらえない人同士が集うと、「年齢」「性別」「業界歴」「保有資格」など実力以外の部分で権力を争うようになります。
アスレティックトレーナーの評価は定量化するのが難しく、契約上同じ現場にいる期間が短い上、就職もほぼ「コネ」で決まるので、他人を尊重できない or 蹴落としても問題ないという思想が生まれてしまうのかもしれません。
選手と指導者間や選手同士のトラブルはよく問題になりますが、支えるトレーナーやコーチ同士の問題はあまり表に出てこないです。
しかし、若く優秀なトレーナーやコーチが、実権を持つのが難しく離れていくケースは多くあると思っています。
お金は維持をするために大事
私は、維持をするために「お金」が大事で、発展・成長するために「心」が大事だと考えています。
現状、日本のスポーツ現場の多くが逆転している状況です。
私は、人生何度も「お金」に救われた場面がありました。
特に家族関係です。
産前産後を除いて、母親は平日ほぼ休むことなく仕事に行っていました。
おかげで母の心は荒れており、毎日晩ごはんは職場の愚痴の嵐。父と母の仲も良くなく(これも色々な理由があるのですが)、私の反抗期は家庭が崩壊寸前でした。
ただ、「お金」だけは、母が働き続けることでなんとかあったのです。
県外の私学にも行かせてもらい、給与が少ない社会人1年目も金銭的にサポートをしてくれました。(もれなく嫌味は言われますが。笑)
これまでの人生、お金がなければ、もっと卑屈な人に育っていたと思いますし、命を絶っていたかもしれないなと思います。
「お金」のおかげで、人としての心の「維持」ができた幼少期から学生時代でした。
スポーツを稼げる仕事にする
トレーナー時代の給与については前述した通りですが、私と上司の給与がもう少し高ければどうだったんだろう、と思います。
心にゆとりができ、本質的で献身的な教育がされたかもしれませんし、業務時間外でもコミュニケーションを取る機会を作れかもしれません。
このお金と心の貧しさは、スポーツ業界の成長を阻害し、負のスパイラルへと陥る原因そのものだと考えています。
私がなんとしても「スポレボ」を発展させたいと思っているのは、スポーツ業界に流入してくる資金を増やすためです。
そして今、スポーツを支える仕事をしている人が、本当の意味で「お金」も「心」も豊かに働けるようにするためです。
そうすることで、若い世代を受け入れることができ、新陳代謝が生まれることで、業界全体にポジティブな風が吹くはずです。
スポーツは、若者の夢そのものです。
過去の私みたいな人が生まれてはいけません。私はこれからも走り続けます。
少しでも応援いただけるようでしたら、ぜひ、ご支援を賜われると幸いです。
長くなってしまいました。ここまでお読みいただきありがとうございました。