こころの秘密基地はつくれるか。
小さい頃、読むこと、書くこと、想像することが好きでした。
ハリー・ポッターやナルニア国の冒険に胸を躍らせ、ポワロ探偵の名推理に唸り、赤毛のアンやジェーンエアと共に育ちました。
想像の翼を思い切り広げて遊ぶのは、すごく楽しかった。
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社会に出て、働きはじめて数年。
幸いなことに仕事は楽しい、けれど。
最近は、どうにも心を耕す機会が足りない。
何にも縛らず、誰の目も気にせず、心向くままに飛び回ることを最後にしたのはいつだろう。
会社員の「私」でも、家族の「わたし」でも、恋人や友達の「ワタシ」でもない、ひとりぼっちの『私』はどんな言葉を紡ぐだろう。
知りたい、と思った。
自分のことだけれど、知らないから、もっと。
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だから、私は、自分だけの秘密基地を作ることにした。
駐車場の階段裏の小さなスペースを秘密基地にして遊んでいたあの頃のように。
飾らない言葉を紡げたらと思う。
そしてその言葉がまだ見ぬ友に惹き合わせてくれたらと。
あの頃、誰かいつか見つけてくれるだろうかと期待を込めた落書きのように。
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って、書いてみたんですよ。
私が思う「作家」になって。
というと、語弊がありますね。
なぜなら、それは他ならぬ「私」のはずだから。
でも、書いてみても、やっぱり自由じゃない。
しっくりこないんです。
駆け巡った思考を、迸った感情を、そのまま言葉にしたいと思うのに、
この文章を読んでいる貴方にどう思われるかなんて1ミリも考えずに、
そのまま曝け出したいのに、どうしてもできない。
いつか知り合いの誰かに見つかるかも、なんて考えているわけですよ。
笑われたらどうしよう、素人なのにアイコンやらヘッダーまでつくりこんで、馬鹿にされたら、からかわれたらどうしよう、これまでの皆の前での「私」が嘘や演技だと思われちゃったら、どうしよう。
そんなつまらないことを、延々と。
誰が何と言おうが、どう思おうが、私は変わらないのに。
私が本当に大事にしたい人は、きっと馬鹿にしたり、からかったりなんかしないって、わかってるのに。
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この note は、私のこころの秘密基地になるかもしれないし、ならないかもしれない。
いつか、ふっと気が向いて、「人前の私」と、ここでの「私」をつなげたくなるかもしれない。
きっとなるんだと思う。
だって、私の人生は一回しかなくて、「私」はひとりしかいないから。
わがままで甘ったれの娘であり、妹にちょっかいを出してばかりの厄介な姉であり、遊ぶのと語るのが大好きなで友人あり、彼のことが好きで好きでたまらない恋人であり、文章を書くのが好きな会社員であり、あれこれ物想いに耽りがちな、ひとり。
ええい、もう。
ぜんぶつながってしまえ。
という大胆な私と、さっき出てきた怖がりな私がせめぎ合うわけだ。延々と。
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いつか私のこころが世界をまるごと包めるくらいに大きく、強く、まるくなったら。
世界中がこころの安全地帯になって、「秘密基地」に隠れる必要がなくなったら。
裸のまんま、世界に向き合う勇気がでるんだろうか。
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そんな日がくる保証はないが、くるかもしれないその日まで、迷える軌跡を見守ってやろうじゃないかという人は、フォローとか、スキとか、コメントとかで教えてくれたら嬉しいです。
2020.05.03
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