#24 「手段」と「目的」を明確にする。
今日のお題は「今日一日にあった印象的なこと」。
私はいつもこのnoteを朝に書いているので、まだ今日一日は始まったばかりなので、昨日あった印象的なこと、、、を書こうと思ったのですが、昨日は在宅で一日研修だったので、大して印象的なことは覚えておらず(唯一思った印象的なことはやっぱり大企業の研修って形だけだし個人にとって意味のあるものにならないし偉い人が何喋ってんのかよくわからん)なので、一昨日あった印象的なことを書きます!!
一昨日、実はずっと憧れていた写真家の方にお会いしたのです!!
いつもインスタで写真だけ拝見させてもらっていて、いつか会いたいな〜と思っていたのですが、たまたまその方が一般向けの講習会を開催しているとのことだったので、思い切って応募してみたという次第です。
年は私よりも多分結構上なのですが、とても気さくな方で、でもお話からはしっかり自分の芯があるように感じ、私がいつも会っている他の写真家の皆さんとはオーラがちょっと違いました。
この講習会の内容は基本的にフリートーク。自分の聞きたいこと、疑問などをなんでもぶつけていいですよ!っていう内容。
私はその場で質問を考えてぶつける、っていうのがあんまり得意じゃないので、スマホのメモに、ぎっしりと質問を用意していました。笑
聞きたかったことは基本的に撮影の技術的なことと、なんと言ってもレタッチ。その方が撮る人の肌の質感や、写真全体の色味が好きだったので、私が一番聞きたかったのは、どうやってそれを作っているの?というところでした。
案の定、人の肌の作り方と色味の作り方は必ずと言っていいほどきかれるそうですが、その方の回答は、私が想像していたものとは違っていました。
その方いわく、質感、色味はほとんどいじっていないそう。
大事なのは、「撮る瞬間にもう自分の思っている完成形に近づけること」。
その日のロケーション、光、モデルさんをみて、そのモデルさんが一番輝くであろう構図を見つけるのだとか。
質感
質感については、光の使い方で決めるそう。普通だったら、「編集ソフトの基本補正であとでいじればいいや」っていうのがあると思うのですが、その方は「光の当て方で質感はほぼコントロールできますよ」って言っていました。
肌に艶を出したいのであれば、ハイライトがしっかりと入るように光を当てればいいし、逆にマットにしたいのであれば、わざと少し暗いところで撮ったり、反対に順光っぽい柔らかい光にしても、自然とマットぽくなるということです。なるほどな、と思いました。確かに、光の使い方で物体の質感は確かに出せます。その方の写真はどれも人の肌の質感が不自然なく、でもとても綺麗に写っているので、すご!!!と思っていたのですが、肌補正を全くしないで、初めから綺麗に撮れるのであれば確かにそういった写真になるし、それに越したことはないなと思いました。これを撮影現場でパッと出せるのがその方の凄みだな、と思いました。
色味
色味に関しては、完全に「配色」を意識しているようです。
写真は四角形の中に、撮りたい対象物を全て収めます。基本的にそれ以外はありません。ほぼ絵画に近いのです。
その四角形の中で、配色をみます。背景も含め、大体3色くらいに抑えるのが良いそうで、モデルさんのスタイリングもご自分で決めるとか。
本当に写るもの全てを見ていて、ネイルの色とか、モデルさんの肌のトーンも人によって違うので、そこをよく見ていらっしゃいました。
それで、その画全体の配色のなかで、モデルさんの肌がどのくらいの面積を占めているのか、どういったトーンであるべきか、というのがその方の肌の色味を決める一番のポイントだそうです。
肌だけで見てしまうとどうしても不自然に浮いてしまったり、どの写真も同じような編集になるけど、写真は撮る場所も、光も、写る人も全部違うので、そこは結構シビアに、丁寧に観察して、なるべく撮って出しの時点で完成形に近づけるそうです。レタッチは本当に微調整。
よく編集プリセットを販売している写真家さんがいますが、プリセットを使っても絶対に同じ写真にはならないし、編集プリセットを使うということは、「撮りたい画」が定まっていないという証拠だから、絶対に使わないし、絶対に販売もしないそう。
「撮りたい画」を自分の中に持つこと
写真は次の三つの要素で成り立っていると言います。
①自分が撮りたい画
②撮影技術(機材など)
③編集
この中で一番大事で優先順位が高いのが①「自分が撮りたい画」。
これがそのカメラマンの個性であり、センスであるところ。ここのセンスがない人は、はっきり言って、写真を仕事にするのは難しいと言っていました。この部分が、カメラマンに対する信頼度に繋がるし、クライアントが求めていること。
いくら機材を揃えても、編集のテクニックを学んでも、誰かと同じ写真を撮ることはできない。②も③も、①を作るための手段でしかないのです。だから、まずは自分はどういった写真を撮りたいかを明確にすることが大事だそうです。
私は数を撮って、その中からいいショットを選ぶ、というやり方をしていました。業界の多くのカメラマンもその手法を使うそうです。
ただその方は、たったの20分ほどで、案件の撮影は終わらせるそうです。カットも10カットほど。1枚1枚への作り込みと感性が丁寧なので、1撃でドンピシャの画が撮れるそうです。それでもクライアントからのOKが出るのだそう。
量を撮って、その中から選ぶのって結構めんどくさい作業だなと思っていたのですが、それは1枚1枚の作り込みができない人がやることなんだなと学びました。初めはうまくいかなくても、ちょっとずつカットで撮る枚数を減らしていってみよう、と思いました。
勢い余って2000文字以上も書いていますが、この講習会に参加して、本当によかったと思いました!行く前は1対1の講習会なので、すごく緊張したのですが、テクニックではなく、作品作りの本質的な部分を改めて気づかせてもらったような気がします。ぎっしりと用意していた質問の答えは全てこの一つの答えに繋がっていました。笑 あんなに用意していたのに、そういう時に限って、視座の高い人から見たら、決まって答えはいつもシンプルです。
確かに、ただ撮影やレタッチが上手い写真家だったら、ごまんといるけど、
この人の写真が、他の人のとは絶対的に何かが違うと感じるのは、そういった写真に対する向き合い方や強いこだわりなどの人間性が、写真にも現れているからなのだと強く感じました。
もっと頑張るぞー。