卒園式、そして入学式
1.卒園式
ASDの長男は式典の類が大の苦手である。
発達障害のお子さんをお持ちの方にはあるあるかもしれないけれど、参観日、運動会、発表会などなど、ただただ目立っていて(むろん悪い意味でだ!)試練でしかない・・・。
卒業式についても、他のイベントと同じく数日前に担任の先生に声を掛けられ、「長男くん特別メニューでこういう風になっているのでよろしく!」と打ち合わせ済み。
具体的には、「(緊張をほぐすため)お気に入りの絵本を持って着席する」、「『起立』はしなくてもよい」、「卒業証書は加配の先生と一緒に受け取りに行く」等。
結局、まぁ一応着席はしていたし(席で座ったまま突っ伏していたけど)、起立はもちろんしなかった。証書は受け取りに行けず、園長先生に持ってきてもらった。なんだそれVIPか。
で、みなさんは受け取った証書を持って花道を歩き、そこで待つ保護者に証書を預けるのだけど(その時にママさんたちがめっちゃいい笑顔で「おめでとう!」とか「頑張ったね!」とか言いながら頭なでるやつですよ)、我が家、もちろん届けに来ず。来ないな・・・と思ってちょっと戸惑いつつふと加配の先生を見ると、すごい勢いで手招きしてたので、私、花道を逆走して受け取りに行った。すべてのご家庭のビデオカメラに花道を歩く私の姿が写っていて後生大事に保存されるかと思うとマジで人生厳しすぎちゃうか。
まぁでもね。
本人のできる範囲ではよく頑張ったと思います。在籍年数も長かったから、周りのお友達や保護者さんたちも長男の様子はご存知だったでしょうし、
私も大好きな園で先生でお友達でしたから、「最後までグダグダだったなー」と思いつつも、彼らしく楽しく過ごせた園での思い出はかけがえのないものです。
2.入学式の練習
打って変わって入学式は、慣れない場所、初めての先生で超アウェーなわけですが、支援学級の新入生だけ集めて入学式の練習をするというので、入学式前日に学校に行くことに。
しかし、別の記事で書きたいと思っているけれども、この数日前にあった小学校との面談がいまいち不発だったため、心開いて飛び込めない私・・・。
そんなちょっとした不信感をひた隠しにしつつ、きわめて明るい感じで「明日の入学式の場所とか先に見ていいんやって~やったぁ~」等と長男を誘う私。すでにもうしんどいわ。
約束の時間に小学校につくと、門のところで既に先生が気づいて下さり、名前を確認し・・・ていると、長男、逃走。
いやいや・・・。
お初の場所に気おされてダメだったらしい。
先生もちょっと和ませたりしてくださっていたが、スキあらば逃げ出す長男を追いかけているうちに、遠くの方ですでにほかの支援学級のお友達と保護者さんたちが集まって輪になって、中心で先生が「それでは今日はよろしくお願いしまーす」等と言っているのが聞こえた。ああ・・・エリートのみなさん・・・。
結局その日は、入学式練習ツアー中の新入生たちと顔を合わせないように、みんなより2,3テンポ遅れで、一応すべて見て回ることができました。個別に案内してくれた先生、逃走を防いでくれた先生、みんなと鉢合わせしないよう様子をうかがってくれた先生等、うちの長男のためだけに先生を3,4人要した。マジすみません。でも、この日関わってくださった先生方は皆様とても朗らか。しかも一番いい感じだった先生が本番はべったりついてくださるそう。安心してお任せできるかも・・・と私の心、雪解け。
3.入学式
で、翌日は本番なわけです。
コロナ禍ではありますが、保護者数が制限されていたわけではないので夫と二人で行くことにしていましたが、前日の様子を伝え、「支援学級の中でも群を抜いてるから、心を無にしていくように」と指南。
まず門を入るとフォトスポットの「令和4年度XX小学校入学式」という立て看板があり、行列ができているのだけど、とりあえずそんなんできるような優雅なお子でないので余裕でスルー。とにかく受付しないと。
フォトスポットの混雑の向こうに受付があるようだったので長男を促すも、一歩も動かず。まぁね。そうね。そうでしょうね。
しょうがないので長男を夫に託し、私一人で人込みをすり抜けて受付に。うむ・・・検温とかあるのか・・・。「すみません、本人が向こうから一歩も動かないんですが(正直)、保護者だけで受付できますか?」「あっ神木さんですか!?お待ちしてました!聞いてます!(奥に向かって)先生!せんせーい!」なんかもういろいろ申し送りがしっかりされている感。先生が2人くらい長男のところに出向いて受付してくれました。なんだそれVIPか。
そして長男専用控室に案内され、式の間ついていてくれる支援員の先生がいろいろと長男に話しかけてくれて緊張もほぐれた様子。なんと、私、長男を先生に託して体育館へ。長男、一人で(隣には黒子の支援員さんがいたけれども)入学式に参加することができました!
いやぁ。
頑張ったな・・・(感涙)。
と思っていると、「子供たちはクラスごとに記念撮影をしております。終わったクラスからご案内いたしますので、保護者の方はしばらくお待ちください」とのアナウンス。
記念撮影かー(遠い目)。
長男、クラス写真も大の苦手。保育園のクラス写真はだいたい加配の先生に羽交い絞め抱っこされているし、卒業アルバムの集合写真は合成。聞いたことあります!?卒アル!合成!!!!!欠席の子がマルに入ってるやつじゃなくて、あたかもそこにいるかのように合成されていました。技術力よ。
そんな長男ですので。
長男のクラス(支援ではなく交流級の方)だけ。
待てど暮らせど撮影終了の連絡が来ず。
先生も「あれー?遅いなー」風にソワソワし始め。ママさんたち、連絡先交換とか始めてる。みなさんすみませんうちの子待ちですたぶん。「お待たせして申し訳ない!合成でいいんで!」とお伝えしたかった。
一応しばらくののちに終わったけれども、後で支援の先生に「児童情報マスタに使う個別の写真がどうしても撮れなかったので、スナップ写真みたいなのでいいですか」と聞かれました。もちろんいいですよ。合成でもいいですよ。