Panaché / [ahi:] ベース解説

気鋭のバーチャルトラックメイクユニット[ahi:]のPanaché、イラストとベース演奏で参加しました。

音楽サークルトマト組のメンバーが集合した曲です。同じサークルに所属していながらも各々が好き勝手に活動しており、みんなが集まって1つのことをするというのがまずないので、ある意味とても貴重な演奏となっています。

それだけにベースも気合を入れて自分らしさを多く詰め込んでおり、聴いてほしいポイントがたくさんあります。ツイッターで小出しに語っても鬱陶しいだけなのでここにまとめて書くことにしました。

まず使っている楽器はYAMAHA Attitude85、フレッテッドです。一応バーチャルフレットレスベーシストを名乗っているのでフレットレスで行きたいところなんですが。。。カチッとした歌モノでフレットレスを録るのって本当に難しいので素直にフレッテッドで。。。

では演奏にいきましょう。

00:17あたりで入ってきますがイントロは普通に弾いて徳を積みます。

00:35からのAメロで10度の重音。ベースでコード弾きっぽいことをするならド定番で、4弦ベースだと4弦ルート1弦10度の形にほぼ限られることでも有名です。

やりたかったのはこんな感じのやつ

Panachéのほうではシンセもしっかり鳴ってるのでベースがいちいちこれをやる必要ないんですが、同じ音をあえて弾くことでフワーッとした空気みたいのが出てると思います。

上原ひろみがガンガン鳴らしてる裏でトニーグレイもコード弾きしてる感じを聴いて育ったので、どうしてもそういうのが好きです。。。

00:44あたりのピンポーンは必殺の人工ハーモニクス別録りです。こんなの咄嗟にできるのはSteve Baileyくらいでしょう。

ところでSteve BaileyとVictor Baileyってちょっとごっちゃになりませんか。私は「Victor (Wooten)とやってない方がSteve」と覚えてるのですが、その覚え方のせいでかえって混乱しています。

00:48の下降フレーズは便利なのでソロでもバッキングでも音を動かしたいときはこれしか使ってないです。

00:51からAメロ後半はゴーストノート増し増しのプクプク弾きに切替えます。Actual Proof感

00:55でブルーノートに合わせに行くのはもうクセです。音源受け取った時点で誘われてるなと感じましたがどうだったんでしょう。まあ怒られてないのでヨシ

00:58、01:07のE♭は必殺のダウンチューニング別録りです。エクステンダーキーはついてるので一応実際に演奏可能という体裁は整ってますが、録るときは普通にチューニングし直して1音だけ録る、ということをよくやります。そのほうがピッチに不安がないし、音量も合わせやすいしね。。。

ここから1分間くらいBメロと1サビでまた徳を積みます。サビはシンプルなメロディを聴かせたいので余計なことをやらない方がいいですね。絶対余計なことするなよ、絶対だぞ

01:58からベースソロ。とりあえず半音ぶつけとけば偉いと思ってるのでGとA♭をボリューム奏法でジワーっと入れていき、そのあとはいつもの流れです。02:11からのフレーズで22フレットまで音域を使い切ってるのがアツいところなんですが、同じAttitudeでも上位ラインのLTDや別種の廉価版であるSpecialでは21フレットまでしかないのでこの22フレットの旨味は格別です。完全四度ダブルストップから下の音をハンマリングで全音上げるアレもやります、もちろん。

楽器のことを言うとまだキッチリ調整できてなくて出音にやや難がある(ネックがハイハネしてて高音域がちょっと詰まる)んですが、今回は音色の一部としてむしろ効果的だったように感じます。フレットレスの音色というのもある意味それの変形みたいなものですし。

ソロの終わらせ方は完全にDeep Into The Night

(ベースソロは5:00あたりから。このソロには本当に人生を狂わされました)

そこからハイパーアザミタイムに入るのがアツいですよね。ベースは満足したのでもう大人しくします。

02:47からの大サビは親の声より聞いたブレイクから。伊織スキャットもアシノソロも入ってくるので音出し運動会状態で最高ですね。ベースは大人しくしましょう

03:02のペンタ5つ取り風のフレーズはジャコです。

 

03:11から小節またぎフィル。これは自分で聴いても毎回イェイってなっちゃう

03:20からのアウトロはパームミュートで。パームミュート動画でVTuberデビューしてるのでこの曲の最後に持ってくるというのは泣けるポイントです。

というわけでトッピング全部乗せのような楽しい演奏でした。ぜひたくさん聴いていただければと思います。

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