椿田りさ

フレットレスベースを弾いていたらいつのまにかプリーツスカートを描くようになった人

椿田りさ

フレットレスベースを弾いていたらいつのまにかプリーツスカートを描くようになった人

最近の記事

FDRS-02 Risa Driver

音響機器メーカーFloatia Designsとのコラボ「FDRS」第2弾! 前回のコンプ(Risa Compressor)に続き、今回は何と歪みです。 製品ページ https://floatiadesigns.wixsite.com/webshop/product-page/fdrs-02-risa-driver 半年ほど前にこんなことポロっと言ってましたが、ぶっちゃけ歪みのことは全然分かりません。今まで歪ませることもほぼありませんでした。 なので技術的な話はfloat

    • FDRS-01 Risa Compressor

      音響機器メーカーFloatia Designsとのコラボにより、椿田りさモデルのコンプレッサー FDRS-01 Risa Compressor が発売されます。 https://floatia-designs.blogspot.com/2022/10/fdrs-01-risa-compressor.html 設計・製作はFloatia Designsで、私は筐体のイラストを描き下ろしています。 エフェクターとしての仕様(ツマミの数・スイッチの有無など)や音色に関わる部分

      • 楽器の定義

        楽器の演奏とは意図した通りの音をリアルタイムで出す行為なので、その道具として満たすべき条件から楽器を定義すると 「操作に応じて得られる音が変化し、操作と音との対応が一定に保たれている装置」といったものになるでしょう。操作を変えれば音が変わり、かつその変化が予想できるからこそ演奏が成り立ちます。 昨日と同じ操作をしても今日は音が違う、というのでは、極端に言えば楽器の定義から外れます。 もちろん状態は日々変化するものなので理想論にすぎません。しかし、根本的な設計から日々の維

        • サドル調整とネック調整

          考え方のひとつとして。 ギターやベースはネックが完全に直線で、弦高ゼロの状態を理想とします。弦は限りなくしなやかに振幅ゼロで振動します。 しかし本当に残念なことに弦は振幅を持つので、サドルを上げて弦高を与える必要があります。 どの程度の振幅を持たせたいかによって弦高が決まります。 さて、弦高ゼロを出発点としてサドルをある高さまで上げた場合、12フレットではその半分だけ弦とフレットとの距離が開きます。 12フレットとナットの中間である5フレットでは1/4しか上がりません。

          「こんなにも世界は美しいのだから feat.可不」イラストの話

          あくまのゴートさんの新曲MVのイラストを描かせていただきました。曲の内容に沿いつつ個人的な気持ちも勝手に詰め込んだ絵になったので、少し解説します。 ※あくまでイラスト単体についての個人的な話なので楽曲そのものの正式な設定・解釈ではありません。楽曲・歌詞をより楽しむためのちょっとしたオマケの情報として受け取って頂けたら幸いです。 さてこの曲の内容は、若い頃に抱いていたヒーローへの憧れから脱却し、大人として前を向く、というものです。 ヒーローとはもちろんNIRVANAのカー

          「こんなにも世界は美しいのだから feat.可不」イラストの話

          画力向上とは…

          「○○日でこんなに画力が上がりました!」 みたいな話題が定期的にバズるけど、画力って結局モノをどう見ているかに支えられているので短時間でアッサリ上がるものではないと思う。 少なくとも、デジタルツールを上手に使って定番の型式をなぞる能力を画力とは呼びたくない。 短期間でポンと「画力」が上がったように見えるのは、もともと習慣的に絵を描いていないにもかかわらず何故か目だけやたら良い人がテクニックを身につけたケース。 それ自体はとっても尊いし素晴らしいことだけど、画力が上がって

          画力向上とは…

          ベースでもナットの滑りは大切です

          半年ほど前にマッコウクジラの歯でナットを作ってハシャいでましたが、実はあまりにも弦の滑りが悪いという不満を抱えていました。 溝を徹底的に研磨して潤滑剤を差してギリギリ許せないレベル。普通の牛骨でもここまで引っ掛かりを感じたことはないので不思議です。 なお同じ歯から他にも2本の楽器のナットを削り出していますが、それらは全く問題ありません。同じ人間が同じように仕上げてこれだけ差が出ているので、素材の偏り・ムラのようなものと推測しています。改めて見るとこのHALIBUT用に削り出

          ベースでもナットの滑りは大切です

          ステンレスフレットのススメ

          初めて自分の楽器にステンレスフレットを使ってみましたが、かなり良い感じです。良い機会なので現時点での考えを書いていこうと思います。 まず何と言ってもチョーキングやビブラートでの弦の滑りが良いです。ニッケルだと弦がフレットにめり込んで引っ掛かるような手応えがありますが、きちんと仕上げたステンレスは本当にヌメヌメ。ニッケルの手応えに慣れていると相当な違和感があるし好みの問題ですが、自分は揺らしたり引っ張ったり積極的にやりたいので実に快適です。ただ普通に“ベース”を弾く場面ではニ

          ステンレスフレットのススメ

          ナット材比較の話

          ナットの素材7種を比較する動画を投稿しました。 鯨に興味を持ったことで鯨歯でナットを作ってみたのが先週のことですが、ここで改めてナット材の音色への影響を確かめたいと思ったのが直接の動機です。 そもそも、ナットの素材そのものの影響を確かめるというのは相当難しいことです。 一般的にナット交換は元々のナットに不具合が出たことの修理という目的がほとんどでしょうから、不具合が改善されるという意味で公平でないので、そこで素材を変えても比較になりません。 修理を目的としない積極的な

          ナット材比較の話

          やる気が出た話

          クソ嫌いな絵柄の絵をうっかり視界に入れてしまったので自分は自分が好きなものちゃんと描こう、もっとちゃんと描けるようになろう、という気持ちになれた。 前回の記事で書いた通り嫌いであること自体はネガティブなものと捉えてないし、あくまで「自分は嫌い」というだけでその絵や描き手や見る人まで否定するつもりはないです。否定できるもんでもないし。そういう価値もあるよね、という気持ちを持ったうえで嫌ってる。 まあわざわざ言わないだけで描いてる側の人はみんなそれぞれそういうの持ってんじゃな

          やる気が出た話

          ちょっと思いついた絵の練習方法

          嫌いな絵を模写する。 嫌いなものって自分に足りないものが詰まってると思うんです。 だって絵を見て嫌いって思うなんて、心の動きとして相当インパクト強いというか、かなりオカシイことじゃないですか。味が嫌いとか音が嫌いとかは生命の危機に対するセンサーの弱くなったバージョンだと考えれば生き物としてごく普通の感覚ですけど、たかが絵ですよ。自分に何の危害も加えない、何の危険もない、小さい枠組みの中の弱い光。でも嫌い。 好きじゃないなら関心を持たなければいいだけなのに、なんでわざわざ

          ちょっと思いついた絵の練習方法

          音楽なんもわからん

          何って、音楽を理解するツールを持っていない。 メロディやハーモニーやリズムの持つ構造やそれらを支える根拠を正しく深く理解しているわけではない。 しかも音楽表現の文化的文脈を追えてもいないので、たとえばこの音はどういう歴史に裏付けられていてどういう文脈の上でどんな意味を持っているのか、とかも分からない。 まあそのあたりは程度問題なので、自分の持っている範囲のツールを使ってインプットしたりアウトプットしたりしつつ、必要に応じてツールを拡張させていくものなんだろうけど。 と

          音楽なんもわからん

          ヨレヨレな演奏のオーディオデータを細かく切ってグリッドに合わせ直す

          そうすれば「少なくとも失敗はしていない」音が作れるけど、実際に演奏ができているのと同じフィールを得るのは難しいし、実際には演奏できていないというのはプレイヤーという立場から言えば微妙なところ。 とはいえ受け手に届くのは結果だけなので、何かを形にして届けることが目的ならばその過程は問題にならない。 ーーというあまりに当たり前なことをいまさら考えたのは、デジタル絵を描くときに当然のように1本ずつ線を描いては消し、消しては描き、様々な変形操作を加えている自分を発見したから。

          ヨレヨレな演奏のオーディオデータを細かく切ってグリッドに合わせ直す

          Panaché / [ahi:] ベース解説

          気鋭のバーチャルトラックメイクユニット[ahi:]のPanaché、イラストとベース演奏で参加しました。 音楽サークルトマト組のメンバーが集合した曲です。同じサークルに所属していながらも各々が好き勝手に活動しており、みんなが集まって1つのことをするというのがまずないので、ある意味とても貴重な演奏となっています。 それだけにベースも気合を入れて自分らしさを多く詰め込んでおり、聴いてほしいポイントがたくさんあります。ツイッターで小出しに語っても鬱陶しいだけなのでここにまとめて

          Panaché / [ahi:] ベース解説

          音楽とお絵描き

          バーチャルフレットレスベーシストとして生を受けたはずがプリーツスカートを中心に絵ばかり描いている。 最近はどこを見ても楽器・音楽が圧倒的に上手い人、何より、音楽が大好きなのが伝わってくる人で溢れており、この世界で自分が楽器を弾く意味は全く無いなという感覚に陥っている。 そもそも自分は音楽そのものが好きなわけじゃなくて自分の頭と手を使って何かを形にするのが好きで、たまたまそこに楽器の演奏という行為が合致していただけ。 もちろんそういうモチベーションで取り組むのも楽しいし充

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