花束
「始まりは、終わりの始まり。」ー〈花束みたいな恋をした〉
よく言ったもんだ、絹ちゃん!
この花束は、先日別れ際に元彼に感謝の意を込めて渡したもの。
無事、別れられました!!!
本当に向こうに言いづらくて、ずっと7ヶ月悩み続けたけど、「もう今日で終わりにしない?」って直接言ったらあっさり「うん、はい、わかった」って受け入れられました。正直今モヤモヤしています。
* * *
「別れ際にごめん、今日言おうか迷ったんだけど、俺実は...お前のこと好きなんだよね」
そう言われたのは7ヶ月くらい前、地元を散歩していて路地で別れようと手を上げた時。AM12時を上回った頃。
「えっ....」
正直帰国後に久々に再会して(成人式以来?)、1ヶ月に5回くらい遊んだだけで、彼のことを好きにはならなかった。一度本気の恋愛をして燃え尽きたからもう体が恋愛を求めてないし、何より彼には尊敬できる部分があまりなかった。遊びに誘われたら断る理由もないから出かけてたけど、それは別にそういう可能性を秘めてたわけじゃない。
まんまと勘違いさせてしまった。
まあ少し勘づいてはいたけど。でも「忙しいからごめん」とか断るのも悪いなと思って、普通に友達だし、出かけてしまってた。
「あー.....正直、あなたのこと友達としては好きだけど、恋愛としては......うーん.....」
悪いくせその2。
相手を傷つけまいと、はっきり自分の思いを伝えない。そんなん余計相手は期待しちゃうし、押す隙があると思うよね。
「俺らなら大丈夫。ずっと小学校から友達だったし、仮に心配してるように別れるようなことがあっても、絶対に仲悪くなったりはしないよ!!元彼の話聞いてて、すごく次の恋愛に臆病だなと思った。でもその一歩を踏み出して欲しい、俺のことを信じてほしい。無理はしてほしくないけどね」
その言葉を聞いたらなんて断っていいかますますわからなくなって、丸み込まれるようにOKしてしまった。
後から共通の親友に聞いた話だと、私がこの時渋ってOKしたことを元彼は結構気にしていたらしい。
そんなんで始まった私たちの関係、同じ地元ということで、夜に集合してよく公園まで歩いて行き、そこで広い芝生に寝転んで星を眺めながら色々語ると言うのが最初の頃のデートスタイルだった。
悪くはなかった。でも、彼のこと恋人としては見れなかった。告白をOKした瞬間にすぐキスをしようとしてきた彼を、私は「早すぎ」って言って俯いて拒んだしな(失礼)。
10月後半に差し掛かり、寒さも厳しくなってくる中で、どうにか室内で合う方はないかとお互い模索した。「どうしてご飯を食べに行ったり、遊びにいったりする普通のデートはしないんだろう?」と思った。言えなかった。
お互いの家とかいろいろ候補あったんだけど、
結局彼がたどり着いた案が、🏩。地元にあるんです。しかも私の家の近くに(笑)
「ずっと気になってたところがあってさ。無理はさせたくないんだけど、行ってみたいなって」
ノーと言えない私は、バイト後駅まで迎えにきてくれた彼の車に乗ってその目的地に向かった。「今日はしなくていいよね」と言いながら彼は向かい、さもするとゴムなしで彼は私の体の中に入れてきた。
嫌だったのにノーといえない私も、ここまで来ると頭どうかしてると思う。
そうして会うたびにそこに行くのが主流になった。もちろんご飯を食べに行くことや、遠出で遊びに行くこともあったけど、比重としては本当にラブホの方が圧倒的に多かったし、遠出した後もラブホに行くまでがセットだった。
「彼に全てを求めなければいいんだ。相談したいことや、話したいことは、数いる男友達や仲良い女友達に話して満たされればいい。いいよね、この関係で」
そういう風に自分をマインドコントロールするようになった。
12月に入り彼の教育実習が終わると、「彼女とユニバに行きたい!って俺の夢、叶えてくれませんか?」と提案してきた。そういうところはミーハーなんだよなぁ。普段は遊び行かないくせになぁ。(一番美味しい店は魚民って言ってる時点でドン引きでした)
やりたいとはいうものの、完全に人任せな元彼さん。クレカは持ってない(浪費しそうだのデジタルわかんないだの)とのことで私がホテルから何から調べ予約。乗り気じゃなかった。この旅行を思い出に別れを告げようと思ってた(頭おかしいな本当私)。
大阪行ったらどっこい、楽しかった。
その2日後にはクリスマスイブだったので、今度は横浜に小旅行に行った。1週間のうちに2回旅行したことになる。
悪くなかった。
好きではなかったけど、こいつとの遠出も楽しめるんだなーって思った。
付き合ってから初めての遠出は川越で、電車で3時間くらいかけて行ったけど滞在時間は2時間で、フラフラ歩いただけで何も食べず帰ってきて、でもラブホには行って、2度とこいつと遠出して時間と金を無駄にしたくないと思った。だから大阪旅行行きたいって言われた時も、絶対やだと思ったけど、うん、いいよ、って言ってしまった。
その後も就活で忙しいのを傍に、週に1.2回ってラブホに行って...って生活を1.2.3月と続けていた。感情を殺したり気にしなければどうってことなかった。他の友達と同じ存在だけど、恋人としての行為がつきまとうと思えば何とか保てた。
転機が訪れたのは3月の最後の週、親友たちとの卒業旅行だった。
「最近彼氏とどう〜?」と聞かれ、ラブホに行ってしかない、好きではないってことを伝えた時に言われた言葉。
「あんた何やってんの!?」
もっと自分を大事にしなよ!!!って怒られた。
すごく心に響いたし、一気に目が覚めた。旅行1日目の夜。
実はそれまでは、周りの友達にも「好きじゃない人と付き合ってるよ」とは伝えていたが、ラブホのことはさすがに言えなかった。それが好きじゃない理由の大きな要因でもあったし、人に言えるような話じゃないと思っていたから、親友にさえも言えず一人で心に溜め込んでた。
「あんたにはもっといい男がいるよ!!今すぐ分かれなそんな男。勿体なさすぎる、時間も金も存在価値も」
私の代わりに怒ってくれてありがとう。
旅行を終えて2日後に、「チームラボに行きたいから、クレカで予約お願い!」と言われて彼と遊ぶ約束をしていた。もうこの人とやっていける自信も気持ちも全くなくした私は、言うなら今しかないと思って電話をかけた。
彼にやんわり伝えると、
「嫌な予感って当たるもんだね」
が最初の一言だった。
気づいてたの?と聞いたら、電話しようって言ってくるのが珍しいし変だなとは思ったよ。って言われて、「正直俺も今までの彼女と違って、恋人というより友達っぽいなとは思ってたんだよね」と言われた。
彼もそう思ってたのね、となんだか急に恥ずかしさと申し訳なさが込み上げてきた。
と同時に、これなら今日で終わらせられる、やっと別れられる。そう思った。
「でも俺はまだ付き合いたいと思ってるよ。」
.......Pardon me?
結局その日、私と彼は色々意見を穏やかにぶつけ合って、これを成長の機会としてもう少しだけ付き合ってみようと決意した。はーーーほんと意思弱い人間
彼は4月から小学校教師として社会人になった。だから会うとしても土日だし、私は土日忙しいからほぼ会えなくて、正直安心していた。
でも早く別れてスッキリしたい私は、会う日を約束して伝える事に。
「お腹痛いから、ラブホは心配だからやめときたい。散歩しよう」と言ったけど、一度は受け入れてくれたものの「やっぱり室内で安静にしよう、俺がお金も払うからゆっくり話そう」と言われた。色んな言葉にならない気持ちをグッと飲み込んで、呆れて反論することもなく受け入れた。
「個室ならむしろ伝えやすいかもしれない」と考えた。ラブホで何もしないって言ったくせに、お互い1時間くらい話したら私の体の色々触ってくるし、脱がせようとしてくるし、「お腹痛いなら、生理じゃないし大丈夫だよね?」と言って、体調の悪い私に結局入れようとしてくる彼。
あー。本当にこの人は自分のとこしか考えられないんだな。って思って吹っ切れた。
* * *
帰り際に車で、「じゃ、また!」という彼に、ポッケから手紙を渡すとすごく喜んでくれて、「花束に続いて手紙まで!?ありがとう!!」と笑顔を浮かべた。
「うん、でもごめんどん底に落とすようで申し訳ないんだけど」
と私がいうと、あっちは悟って、「あ」って苦い顔をした。
「今日で終わりにしませんか?」
「はい。わかった」
「え?」
「すごくそっちなりに色々考えてそういう結論を出してくれたんだと思うから、何も言わないよ。」
「いやでも、そっちの気持ちは?」
「んー、まあ正直今仕事忙しくて余裕がないってのと、やっぱり友達って感じが強くて、もしそっちから何も言ってこなかったからこのままでいいかなと思ってたし、別れようって言われたら従おうと思ってた。だから、うん、むしろ言ってくれてありがとうって思ってる!」
........は?
むしろありがとう....って、なに?
言葉を失った
私が言わなかったら、違和感を感じてても関係続けてたのか?なんでそんなに人任せなんだ?自分の意思ないの?気持ち悪くないの?
なんだったんだよ私のこの悩んだ7ヶ月間は。
怒りをぶつける場所もなく解散して、その後も彼の本心を一生知ることのないまま関係が終わってしまった。
別れてよかったけど、なんか本当もう、はぁ...
この気持ちは多分一生抱えていくし、しばらくは恋愛またいいやとなってしまった。
時間を無駄にした中でも、この経験から学ぶことはたくさんあったと思う。
自分は何を大事にしたいのか。ノーと言わないことは果たして正義なのか。私にとって友達と恋人の違いは何なのか。揉めないことが仲がいいことなのか。たくさん考えさせられて、悩まされた7ヶ月だったと思う。そしてこれは好きじゃないあなたと付き合ったからこそ、気付かされたことだと思う。元彼、ありがとう。感謝しています。こんな私を好きになってくれたことも。
これからは自分を大事に!自分の人生を大事に!自分の好きな人を大事に!生きていきたいと思います。
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