マキュリオンの記憶(1/3)
「マキュリオンの話を覚えてるか?」
およそ15年振りに再会した中学時代のクラスメート神岡悠人は、再会の挨拶もそこそこに尋ねてきた。マキュリオン?何だったっけ?咄嗟に思い出せずに俺はポカンとした。彼は左の二の腕を俺に見せた。そこには色鮮やかな虹色の羽を持つ鳥のタトゥーが彫られていた。
「シールとかじゃないの?これ。凄いな。」
面食らったような俺の表情を見て彼は本物だ、と薄く笑っただけだった。
(LINE交換したけど、話なんて、別にな。)
彼と別れて勤め先の製薬会社に戻ってきた