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メンヘラ処理班

彼と別れてから3ヶ月近くが経ち、気づいたことがある。


「この人メンヘラの扱い上手くない…?」


付き合う前に彼は「俺メンヘラと付き合ったこと無いからなあ」と言っていた。

だから私が彼と付き合ったはじめてのメンヘラなのだが、それにしても扱いが上手い。

それは彼が彼であることたらしめる性格が原因だと思うのだが、そういうところも好きなんだよね!(冒頭から惚気んな)



1.同情しない


彼はこちらがどれだけ泣き喚こうが一切情を見せない。おまけに江戸時代の人斬り並に切れ味のいいド正論をこちらにぶちかましてくる。

伊達に私より長く生きていない。おかげで「あれ、私って傍から見て痛くない…?」と自分を客観視でき落ち着くのが早くなった。


私の尊敬してやまないメンヘラの先輩でありメンヘラのスペシャリストであるスイスイさんの著書に「メンヘラは駄々っ子と同じ」と書いてあったが、まさにメンヘラは駄々っ子。

自分の嫌なことに対して不満を言ったら周りがどうにかしてくれると思い大暴れするし、それに構ってくれないのだと気づいたらすぐに騒ぐのをやめる(またはアプローチの仕方を変える)単純な生き物だ。


以前、生理前で最高にメンタルがヘラっていた時に人生初の過呼吸を起こした。

息を吸っているはずなのに「私が今まで呼吸と思ってやってたのって何?」と思うぐらい上手くできない。

徐々に動かなくなる手足。パニックになるのには十分だった。

『過呼吸=AKBのメンバーが本番前になるやつ』みたいなイメージしかなかったがこんなに辛かったのか。ごめんねあっちゃん。

幸い自分の部屋だったので地べたを這いずり周りお見苦しいところをよそ様に見せずに済んだのだが「死ぬ」と思ってしまった私は彼に助けを求めた。


「もう私は死ぬんだ、なら最後に一目彼に会いたい。彼に抱きしめて貰いながら死ねたら本望だ」


ほぼ動かなくなった右手で彼の通話ボタンを3回ぐらい押したあと「今日は無理です」と連絡が来たのが目に入ったけど知るかこちとら死にそうなんじゃと懲りずに電話をかけ続けた。

コートを着たまま倒れていたし部屋に暖房もついているはずなのに寒くて仕方がない。

歯がガタガタ言いながらも何度も通話ボタンをタップしていると5回目ぐらいで死ぬほど不機嫌な声で彼が出た。

「仕事中なんだけど」とすぐ切ろうとする彼に「過呼吸で倒れちゃって…」と助けを求めたが彼の返事は「いや、救急車呼びなよ」のみだった。


その後1時間程度で結果落ち着いたのだが病院に行きたくない私はそれからも何度も彼に助けを求めた。

変換する余裕すらないし画面もろくに見れない、送ったLINEを見返してもまともに文を打ててはいなかったがそれでも彼の返事は「救急車を呼べ」の一点張りだった。

こちとら病人やぞ…。アメリカのダイエットキャンプの方がまだ優しいかもしれない。


なんやかんやで復活した後、「生理前でメンタルヲワタでしたすみません」(要約)みたいなLINEを送ったところ「体調良くなったのは安心したけどさすがにもう仕事中にはかけてこないでね」とまさにその通りですとしか言いようがない注意をされた。

しかも来客の対応をしていた時だったらしく、話し中に何度もかかってくる電話、しかも元カノ。

しかし向こうが気を使って「出ないんですか?」とでも言ってくれたら1周回って申し訳なくなる。

「元カノがメンヘラなので定期的にイタ電かけてきてるんです」なんて口が裂けても言えない、、、彼の立場を考えたらやっぱり私でもそんな対応になりますほんとにごめんなさい、、、(しみじみ)。


そうは言いつつも私が欲しかった言葉は「大丈夫だった?仕事で行けなくてごめん、、、1人で大丈夫?今から会いに行ってもいい?」と、まあがめつすぎるがこんな感じ。

よくあるメンヘラほいほい男のセリフだ。

しかし彼ときたら「いいちことアサヒスーパードライがあれば俺は生きていける」と宣言していた通りのスーパードライっぷり。一周まわって惚れるね!かっこいい!!(?)


その後何を血迷ったのか「電話していいですか?」と聞いた私に「今日は無理」ときっぱり断る彼。

ムチしかくれていないがそろぼちこちらにも飴を舐めさせてくれ。


ちなみに彼に電話を断られた私は飴の代わりに肉を食べて寝ました。美味しかったです。



2.私が居なくても平気


「私なんか居なくたって大丈夫なんだ…」

メンヘラヒロインがよく使いがちなこのセリフ。多分彼に言ったら「うん」と即答しそうだなあと想像しただけでヒロイン(笑)の私は泣きそうです。

彼と付き合っていた時、彼が14連勤明けに2日休みがあるから2日目に会おうと言ってくれた。

1週間半ぐらい会えてなかったため本当は一刻も早く会いたかったが「まあ疲れてるもんね」と彼を労るつもりで何も言わなかったし、代わりに私も友達と遊ぶ約束を入れた。

友達と遊んでいる最中に、私が友達と食べたパンケーキの写真を送ったところ彼から送られてきたのは山と川の写真と「サイクリング行ってる!」という一言。

一瞬で頭が「?」で埋め尽くされた。「14連勤明けたのにこの人外出するんだ…」とインドア派の私は恐慄いた。

私はインドア派、というかもう家に居たい。家が大好き。だから私が1番暮らしやすいように自分の部屋を魔改造している。


少し話は反れたがそれくらい私にとってサイクリングとかハイキングとか外に出る、かつing形のイベントは無縁だった。

しかも話を聞くとママチャリで10キロ以上先の山まで行っているらしく「休息とは?」と思いつつ次の日にその話を楽しそうに話す彼を見て「リフレッシュ出来たみたいで良かったです」とにこにこするしかなかった。

いや、可愛いから許すんだけど。


恋愛にどっぷりしがちな私と恋人がいても自分の時間をちゃんと作る彼。

そりゃあ別れてからの引きずり方がこんなに違うのも納得してしまう。


別れてからは向こうからの連絡は無し、2人きりで会うことも一切無し。

たまにこちらがどこに遊びに行ったとかを写真付きで報告しても既読無視。

じゃあ彼は何をしているのかを気になるのがメンヘラですよね。


ということで調べました彼の趣味垢とリア垢!

インスタからTwitterまで多分ほぼ把握してるはず(はず)。


インスタは鍵がついていたからフォローできてないもののそれ以外は見放題な為定期的に見てしまっている。

ツイートアクティビティが以上に増えていることを悟られないかが最近の心配事だったりする。

この前彼が結婚式に行った時はインスタのフォローとフォロワーの数が式の前後で変わってないかひたすらガン見していたら減ってたんだけどどゆこと???(?)




3.物・人に執着しない


クリスマス前後、私はひたすら彼と2人きりになるチャンスを伺っていた。

プレゼントは貰わないと言っていたからじゃあせめて普段の感謝の言葉を伝えたいと思い、小さい小さいクリスマスカードを買ったからだ。

クリスマスの次の日は彼の誕生日。このクリスマスカードを彼にプレゼントしたら、私の健気さに気づいてくれるかもしれない。

そしたら、ひょっとしたらひょっとするかもなんて思っていた。


まあそんな上手くいく訳もなく何がなんでも渡そうとする私に彼からのお説教があった。


「人から物貰うのがそもそも好きじゃないから勘弁して欲しい」


「…部活の引退する時に貰う寄せ書きの色紙も捨てるタイプの人ですか?」と私が1番捨てづらいものを例にあげても「捨てる」と即答された。

そう言えばこの前電話した時も面白くない本とかあまり良くなかった機材も捨てるって言ってたなと思い出し、改めて「おもしれー男、、、」と思ってしまった。


その時彼がめちゃくちゃ綺麗好きなのが発覚し、私の部屋が汚なかったと彼に酷評されたことを機に部屋の大掃除を本格的に開始したのだがこれはまた別の機会に詳しく書くことにする。


彼は人に好かれるのが上手い人で、いつも誰かに囲まれている。

そんなところを遠目に眺めていただけで幸せだったのだが色々あって彼氏になって、色々あって別れてしまった。


話は戻り、どんな人にも好かれているのに彼の話し方や笑顔の作り方が私のそれと一緒だと思ってしまった。

私はHSS型HSPとかいうやつで、まあ人の考えてることとかコミュニケーションを行う上での正解の選択肢が物心ついた時から自然と分かっていた。

その事を活かしてどんな人にも好かれることは容易かったし、逆にどんな人にも嫌われたくないがために好きでない人にも気を使い精神をすり減らすことも少なくはなかった。


でも誰にでも平等ということは誰に対しても特別じゃないということで。

彼は自分が踏み入って欲しくないラインをはっきり線引きして人と接しているような、本心を見せないようにしているような、そんな気がしたし、そんな彼の特別になりたいと思ってしまい気づけば必要以上に彼に話しかけていた。

だから付き合い始めてからベッドの中で彼が兄妹や両親との小さな確執がある事を伝えてくれた時は嬉しかった。

他の人には言えない、彼女だからこそ、私だからこそ話してくれていることなのだと彼から伝わってきた。

それと同時に私も彼も昔の経験から他の人に対して一種の「諦め」の様な物があるのだとも思った。


私も彼のように大きなコンプレックスを抱えている。


『兄弟とどうして扱いが違うのか』


高校まではひたすら勉強を頑張っていて、高校は自称だとしても有名な進学校に進んだ。それでも父親は私の方を見てくれることは無かった。

だから諦めて大学はもう適当なところに入って親の金で好きなことをしてやろうと思った。

散々お金をかけて好きなことをしていた兄弟達のように生きようと親のスネをかじりまくりな生活を送っている。


話は戻るが、彼がそんな風に物に執着しないのだと分かってから逆に私は燃えていた。

電話の向こうで冷たい声で話す彼の声を聞きながら、単純な私は「やっぱり彼の特別になりたい」と思ってしまった。

だって毎日隣にいれば手紙なんて書かなくても毎日彼にありがとうとも好きだとも伝えられる。

付き合っている時に恥ずかしがって好きだと伝えられなかったのを後悔しているし。




終わりに、なななんと素晴らしいことに彼のこれらの対応により結構私の中のメンヘラが治まりつつある。

他にも精神科で働いている知り合いの人にカウンセリングをしてもらったりもしたんだけど。


未だに部屋の電気を消しただけでボロ泣きしてしまうのだが、年明けからはここに挙げていたみたいに急に彼に喧嘩を売るようなLINEを送ったり深夜に電話したりすることも無くなった(声が聞きたすぎて泣いた夜はあったけど)。

彼と一緒にいると多分変われるし彼のことを好きでいて毎日彼のことを眺めているのが今の私の最大級の幸せなのでこれからも彼のことが毎日大好きだし絶対復縁するし絶対結婚します!!!!!

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