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朱鷺色の佐渡

佐渡ヶ島は古事記や日本書紀に記述のある我が国発祥の地の一つである。ここには古代から日本人が暮らし、朱鷺と金山で知られた島である。

道遊の割戸は江戸時代の露天掘りの跡である。掘り進めて行った結果、山が真っ二つに割れてしまったのだ。すごい。

佐渡ヶ島の金山は1601年から1989年までの約400年間操業した我が国最大の金山である。江戸時代の話が有名であるがより重要なのは明治以降に果たした役割である。

佐渡金山では江戸時代の様子が再現されているが、これは想像図だと思う。たいした照明はなかったのだから、坑内は真っ暗に近く、共同作業や見張りなんてできやしないと思う。

1869年に官営になったのち三菱の引き継がれ、当時の最新の技術を導入し、閉山までに78MTの金と2330MTの銀を産出した。

明治時代の道遊坑

そして佐渡金山はあっち系が泣いて喜ぶアップサイクルの実践の場であった。北沢浮遊選鉱場がその代表例である。江戸時代に捨てていたボタ山の鉱石から浮遊選鉱によって金銀を分離濃縮して産出していたのが北沢浮遊選鉱場である。

北沢浮遊選鉱場跡

ラピュタを彷彿とさせるこの遺構は我が国が誇るべき設備であろう。

佐渡ヶ島で不思議に思うことはたらい舟がやけにピックアップされてるのに尖閣湾と白雲台がほとんど知られていないことである。

矢島のたらい舟からみた景色

たらい舟はやや変わっているがようは静かな入り江をちゃぷちゃぷ見るようなものであった。

尖閣湾

一方、尖閣湾は福井の東尋坊をしのぐ地球の息吹を感じさせる絶景である。日本海の透明度も抜群だ。

白雲台から両湾を望む。

そして佐渡スカイラインの白雲台からは両津湾と真野湾の両方を同時に見ることができる、これまた絶景である。

さて、佐渡と言ったら朱鷺である。朱鷺はニッポニアニッポンという学名をつけられた鳥である。

トキふれあい広場ではマジックミラー越しに間近で朱鷺を見ることができるすぐれものスポットだ。

我が国以外では支那や朝鮮に生息しているが、ずっと絶滅の危機にさらされている弱い生物である。乱獲やテンによる駆除が原因とされているが、朝鮮でも絶滅し、支那でも絶滅しかかったことを考えるとようは弱くて生き残れなかったのではないかと思う。

毛づくろいする朱鷺。朱鷺色が見える。美しい色だ。

日本に生息していたニッポニアニッポンは2003年にいなくなってしまうが、たまたま支那に生息していたニッポニアニッポンを佐渡ヶ島へ移送し、繁殖を試みた。繁殖は見事に成功し、いまでは500羽程度が佐渡ヶ島に生息しているそうだ。いまでは野生の朱鷺も見ることができる。下記動画の最後に野生の朱鷺が飛ぶ様子があるので見てほしい。


ところで佐渡ヶ島に空港があることはご存知だろうか。

佐渡空港は沖縄の離島の空港のようだ。

かつてはいくつかの小規模航空会社が路線を持っていたが2014年以降、就航がなくなっており、開店休業状態である。トキエアが参入を検討しているそうだ。

佐渡ヶ島は酒も多い。しかし島内でのみ販売されているために全国的には知られていない。

金鶴は佐渡ヶ島以外ではほぼ流通していないそうだ。

金鶴も真野鶴もいい酒であった。いごねりとともに飲むと佐渡ヶ島に来たんだなという実感がわくであろう。

いごねりは郷土料理だ。

ジェットフォイルの運賃は高いが一度は行ってみてほしい島である。新潟から約1時間で着く、この大きな島は支那やロシア、北朝鮮にも対面する我が国防衛の拠点でもある。佐渡金山の世界遺産化を契機に成長してほしい。
(Nov/2024)







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