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インドとインド人③ 神話を語る

わが国では神や神話を語れる人は少ないと思いますが、インドでは自国の神々を語れる人たちが大半です。先日も仕事帰りの渋滞中の車内でインドの神とわが国の神の違いを楽しくディスカッションしました。
インド人が神々を語れるのは、インドの神々はヒンドゥー教に関わっており生活に密着しているからだと思いますが、教育もなされているのではないでしょうか。

ヒンドゥー教は、インドやネパールで多数派を占める民族宗教、またはインド的伝統を指し、教徒の数はインド国内で10億人、その他の国の信者を合わせると約11億人以上とされ、キリスト教、イスラム教に続いて、人口の上で世界で第3番目の宗教です。神々への信仰と同時に輪廻や解脱といった独特な概念を有し、四住期に代表される生活様式、身分(ヴァルナ)や職業(ジャーティ)までを含んだカースト制等を特徴とする宗教です。

映画ブラフマーストラ Brahmastraでは、シヴァ Shivaとイーシャ Ishaが主人公としてでてきますが、これもヒンドゥー教の神の名前です。

Shiva シヴァ(おそらく)
エレファンタにて

シヴァはヒンドゥー教の神で、特にシヴァ派では世界の創造、維持、再生を司る最高神に位置付けられています。また、現代ヒンドゥー教では、ブラフマー、ヴィシュヌとともに3柱の重要な神の中の1人として扱われているそうです。
最も賞揚される文脈では、シヴァは形の無い、無限の、超越的な、不変絶対の宇宙の根理であり、同時に世界の根源的なアートマン(自我、魂)です。ヨーガ、瞑想、芸術の守護神でもあります。
偶像上のシヴァの特徴としては、額の第三の目、首に巻かれた蛇、三日月の装飾具、絡まる髪の毛から流れるガンジス川、武器であるトリシューラ(三叉の槍)、ダマル(太鼓)が挙げられます。

Ganesh
これもエレファンタにて

イーシャは、ガネーシャと関連します。ガネーシャは、ヒンドゥー教の神の一柱。その名はサンスクリットで「群衆(ガナ)の主(イーシャ)」を意味しています。インドでは現世利益をもたらす神とされ、非常に人気があり、富の神様として商人などから絶大な信仰を集めています。太鼓腹の人間の身体に 片方の牙の折れた象の頭をもった神で、4本の腕をもち、障害を取り去り、財産をもたらすと言われ、事業開始と商業の神・学問の神とされています。インドのマハラシュトラ州を中心にデカン高原一帯で多く信仰されており、ガネーシャの像の中には杖を持っているものもおり、この杖はアンクーシャと呼ばれています。

英語RRRではラーマ Alluri Sitarama Rajuとビーム Komaram Bheemが登場しますが、これは神話に関係します。

インド神話は、インドに伝わる神話であり、特にバラモン教、ヒンドゥー教、仏教に伝わるものを指します。概ねヴェーダ神話がバラモン教に、叙事詩・プラーナ神話がヒンドゥー教に属し、ブラーフマナ・ウパニシャッド神話がその両者を繋ぐものです。

ヒンドゥー教の神話のうち代表的な文献は、二大叙事詩マハーバーラタとラーマーヤナです。マハーバーラタは、18編約10万詩節よりなる大作で、バラタ族の内紛・大戦争を主筋とし、その間におびただしい神話・伝説が挿話として説かれています。
ラーマーヤナは7編2万4000詩節よりなり、ラーマ王子の冒険を主筋としています。この二大叙事詩は、いずれも400年頃に現在の形にまとめられたと推定されています。
この時代の神話で最も重視されている神々は、創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァで、三神一体の最高神です。
ブラフマーは、ブラーフマナ・ウパニシャッドでは宇宙の最高原理であったが、その抽象的な性格のせいか、庶民の間では広く信仰の対象とはなりませんでした。
ヴィシュヌはリグ・ヴェーダにも登場し、元来太陽の光照作用を神格化したものと考えられています。
一方、ヴェーダ時代のシヴァはリグ・ヴェーダの暴風神ルドラを前身とする破壊神です。性器崇拝や黒魔術など非正統派の民間信仰と習合し、ヨーガの達人、舞踏神、魔物の王などの複雑な性格を持つに至りました。時代によって神の性質が変わるというのはわが国には見られないことです。

わが国では神や神道、神話を語れる人は少ないのは、教育や報道が原因です。GHQのWGIP War Gilt Information Programでわが国の伝統や歴史、良い部分は徹底的に破壊され、日教組やNHK、共同通信をはじめとする左翼反日活動家によって、非常にまがった形でしか教育、報道されない状態がずっと続いているのは、世界的には稀なゆがんだ姿です。インドのように、自国の神々や国の成り立ちを語っている神話は語れて普通なのが世の中です。

2月には建国記念の日と現状は呼ばれている紀元節がありますので、その機会にわが国の建国とそれにかかわる神話や建国の詔を学んでみるのもよいと思います。
(Feb/2024)




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