ゆるり、令和の大和撫子を紡ぐ
たしか十三参りのころ。
母に着付けてもらったお着物は、桐箪笥に閉じ込められた時代のかさなりを感じさせる匂いがしました。
羽織ったときのずしりと肩にかかるその重みと匂いに妙に心が踊り、帯を締めると背筋がしゃんと伸びて心地よく感じました。
着物を纏うわたしは、なんだか特別な存在になれたような、魔法にかかったような、そんな気がしたのでした。
初めまして、橘 凜々子です。
文頭にあるのは、中学生のわたしが初めて自分から「お着物が着たい」と母に頼み込み、着付けてもらったときの記