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無神経な右京さん

 今週のドラマ「相棒」を観た。夫が途中で寝てしまったので、二回観ることになった。二回とも胸が悪くなった。

 いつもは大好きなドラマなんだけど、今回の右京さんは無神経というか、いけ好かないを超えて「ちょっとこれ、問題なんじゃ?」と思って、そのまま夫に言ってみたけど、今ひとつピンと来ていないようだったので、これって性差というか、ジェンダーの要素も含まれた問題なのかなって感じた。

 学生運動時代の白骨遺体が出てきた、というところが今回の事件の発端。殺された人物を調べているうちに、ある初老の女性にたどり着く。ドラマの最後に右京さんはその女性と友人の前である仮説を披露する。それは白骨死体となって出てきた被害者が、その女性をレイプし、その時の子どもをみごもった、という仮説。そのレイプ事件を知った友人男性が、勢い余って加害男性を殺して埋めた(←それが今回、掘り起こされた)と右京さんは語る。

 右京さんの無神経さにぞわっとなった。被害女性の目の前で、数十年前のレイプについて語る、その無神経さに。「産むかどうか迷ったでしょう」という右京さんのセリフは実にデリカシーがない。そういう体験は何年たったとしてもトラウマになっていることだろう。

 その白骨遺体については時効が成立しており、彼女も隣に立つ友人(男性)も殺害現場に居合わせてはいたが主犯ではない。だからすでに時効になった白骨事件について、右京さんが彼らに持論(推論)を披露する必要がない。もし必要があるとすれば、彼らが右京さんの話を聞いて、どこかに反省が促されたり、救われたりする場合だけだと思う。

 自分の推論を確かめたいだけの右京さんは傲慢に見えた。いつもの賢明さは感じられず、とても残念な脚本だった。

 はい、その通りです。これは苦情です。

  

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