父と娘のNY旅行⑧(風と共にひらく音色)
1日1回は練習する時間をつくる。
私もまた父と同様に積み上げてきたものがある。
ヴァイオリンだ。
私はヴァイオリンを弾く。3歳から習っており、子供用のヴァイオリンはサイズも小さいため、海外へも持って行っていた。
ボストンバックにヴァイオリンを入れると、X線でヴァイオリンケースが映る。それが少し面白かったのを今もよく覚えている。
楽器は実はとても不思議だ。
同じ楽器を持って行っても湿度、気候で音色が変わる。
特にヴァイオリンやチェロは【木】を張り合わせてできた楽器だ。
その為、もしも湿度の高いジャングルのような場所へ楽器を持っていくと…
木がはがれて壊れてしまうそうだ。
だから海外へ行く際は、行く国を先生に伝えて持っていって良いかを聞いていた。
仮にそんな国へ楽器を持っていくならば、安い壊れてもいい楽器を持っていき、身体が鈍らないようにしなさい!と言われていた。笑
この事を体感したのがNYだった。
明らかに音色が変わったからである日本なら嫌々の練習だったが、この時は違った。夕方からに弾く時間が好きになった。
日本よりカラッとした空気である。
NYはヴァイオリンの音色は綺麗にひらき、溢れる様に音が舞った♪♪
そして驚くほど音も狂わなかった。日本にいると、毎日調弦(音を正しく整える事)をする。梅雨の時期は本当によく狂う。湿気で楽器に支障がでるらしい…
音がこれだけ変わる体感は日本が島国で、
特に京都は盆地で大変湿気が多いのだということを私に深く知らせてくれた。
ヴァイオリンはこの時異国の地でも、自分だけの居場所を作ってくれた。
また、私だけでなく周りの人の心も満たしてくれた。
英語が流暢でなくとも、現地の人を笑顔に出来るツールにもなった。
ヴァイオリンは3歳から大学2年生まで18年間習い、現在はたまに調弦をしたり少し弾く程度だ。
今はフルサイズといい、大人のサイズのヴァイオリンなので幼い頃よりもサイズが大きい。
飛行機に搭乗する際に預けるのも一手間かかる。何かあった時に命と同様に大切なので国外に出す気になれない。
しかし、もし持って行くならばカラッとした空気の中で必ずまた弾きたいと思う。
私の大切なフルサイズのヴァイオリンは、
イタリアの有名なヴァイオリンの産地🇮🇹cremonaの1991年の製品である。
縁があって今私の大切な友達が住んでいる。
彼女はこのコロナ化でも負けずに夢を追いかけてイタリアへ出国した。
この時代が穏やかになれば私も彼女に会いに行く。
そしてヴァイオリンを弾きに旅をしようと思う。
つづく。
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