彼氏A:とにかく「彼氏」が欲しかった② ~「あなたじゃなくてもよかった」と別れを告げた日~

前回は、人生で初めて彼氏ができた日のことを書いた。
これ↓

この彼氏Aとは、カレカノっぽいことをいっぱいした。

お泊まりデートをして、
初体験だって済ませたし、
花火も見に行ったし、
浴衣を着てお祭りも行ったし、
ディズニーランドにも行ったし、
カラオケも行ったし、
誕生日もお祝いしあって、
サプライズもしてもらった。
記念日も祝いあった。
メールでもイチャイチャしまくった。

ここぞとばかりに、
私が人生で「「彼氏」としたいこと」をとにかくこなしていった。

その間で、
最初はそれほどあたしのことを好きそうじゃなかった彼は、だんだんあたしのことを好きになっていってるみたいだった。

彼はあたしの誕生日にメッセージカードをくれるような優しい人だった。全然悪い人なんかじゃない。

だけど、あたしは、どうしても彼のことをそこまで好きにはなれなかった。
所詮、ただの「彼氏」でしかなかった。

そこでやってきてしまったのだ。
新たな出会いが。
付き合ってから1年と3ヶ月が過ぎた頃だった。

そこで現れるのが彼氏Bなのだが、彼氏Bの詳細は後日。

あたしは彼氏Bに一目惚れした。
恋をしたのだ。

彼氏Bに出会ってから、たった2日後、
あたしは彼氏Aにメールを送った。

「話したいことがある」

12月のはじめだった。

クリスマスには、コートをプレゼントしてもらう約束をしていた。

「コートを買いに行く日の話?」

彼氏Aからの返事。

違う、違うねん。

「ううん。違う、、、」

「……悲しい話?」

何かを察したのだろう、それから彼の返答は短かった。

付き合い始めたビルの中で、あたしたちは会って話すことにした。
そのビルの夜景は、付き合ってからも何度も見に行った。
思い出の詰まった夜景だ。

こんなところで別れ話なんて、皮肉である。

彼氏を振る、という初めての体験。
なかなか言い出せないあたし。

長い沈黙のあと、ポツリと言った。

「別れよう。」

「なんで別れたいん?」

聞いてくる彼に答える。

「………好きな人ができたから。」

なぜか溢れてくる涙。
ほんまクズな女。振ってるのに泣くヤツ。
それは今でも変わってないけど。
必ず言われるんよね、泣きたいのはこっちの方や、って。
そりゃそうよね。
でも涙出てくるんやもん、しゃあないやん。

そのあとは、彼氏Aにめっちゃ食い下がられた。

なんでそいつがいいん
俺の何があかんかったん?
考え直してや

彼氏Aに、悪いとこなんてない。
あたしを大事にしてくれる人だった。

でも、彼氏Aは、所詮「彼氏」でしかなかったから。

その時のあたしは、
もっとカッコいい人とも付き合いたかったし、
もっと色んな男を知りたかったし、
優しいだけじゃぁ物足りなかったのだ。

彼氏Aは、全く諦める気配がない。
だから、言うしかなかった。

「べつに○○(彼氏A)じゃなくてよかった。ただ「彼氏」が欲しくて、「彼氏」としたいことをしたかっただけやから………」

納得したのかは分からないけれど、
これで話がついた。

最終的に、どういう風に話がまとまったのかははっきり覚えていない。

でも、この翌日、あたしと彼氏Aは別れた。

余談。
別れ話をしたその日の夜、
「最後に一回ヤらせてや」と言った彼氏A。
付き合ってた頃から"20点"と酷評していた彼との営みは何も感じることはなかった。
(初めての相手に20点ってどんなけ失礼やねんって話。でも全然気持ちよくなかったのは事実)

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