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スープバーのゴールドラッシュ
朝起きて冷蔵庫に気に入るものがなく、モーニングに出かけた。お気に入りだが、去年行ったきり行っていないおしゃれなカフェなのです。
でもダメだった。長蛇の列。巳年だけに。
あのね、1月2日に無計画でモーニングに行くのダメだ。
1月2日って特異点なのよ。なんだろ、一定数の人間が十分な睡眠を取った結果、早起きし、一定数の人間が伝統食に飽き、一定数の人間が年始にスタートダッシュを切ろうとするんですね。その A+B+C の合算が客足です。
そういうわけで、おしゃカフェからすごすご撤退し、他のカフェも、初売りの福袋売るわなんやかやで同様に長蛇の列を抱えて、流れ流れて、開店直後の中華レストランバーミヤンへ。
こちらは空いていて、おそらく開店直後の最初の数人の客。
バーミヤンにはモーニングの概念はなく、どの時間帯でも同じメニューが注文できるので、朝から油淋鶏乗っかったチャーハンを注文するパワープレイを決行。油淋鶏チャーハンにはスープバーがつきます。本日のスープはわかめスープでした。
でさ、ファミレスのスープバーの具って全然入ってないじゃないですか。底に沈んでるのかなと思って、一度対流を起こして掬おうと浅知恵を駆使しても、そこにはキラキラと澄んだスープしかないくらいには。
それが、人類の共通して持つ認識です。さらに識者の間ではスープバーの具の含有量は、開店から閉店まで時間的に安定して0.0000000000.1%を保っていると考えられていました。
しかし、この認識、違ったんです。開店からごく短時間の間だけ、スープバーの具はスープに対して50%程度の質量があったんです。このカンブリア期のオタマは藻類で満ち溢れているんです。
それでは、なぜ生命のスープがごく短時間で死の海に姿を変えるのか。
これね、わかっちゃった。開店からすぐは十分な具があり、はじめの客のオタマほどごっそり具が入ることになるんだけど、そこからそう多くない来訪者によって取り尽くされて定常状態に移行すんだわ。
ビッグバン直後の宇宙のように、誰にも踏み荒らされていない新雪のように、ゴールドラッシュのようにスープバーは最初が美しいのです。
ここから学ぶことは、バーミヤンは開店直後に行け!
スープバーのファーストペンギンであれ!
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