〜真実の矢を射るときは蜜に浸せ〜バンフ・マウンテン・フィルム・フェスティバルに行ってきました
アウトドア・ドキュメンタリー映画祭のバンフ行ってきました。お察しの通り、僕、完全にインドア派なので、バンフがなにかわからないまま誘われて行ってきたって感じです。
上映時間5分〜50分くらいのショートムービー10本ちょい見まして、いくつか好きな作品があったんですが、特に良かったのがこれ
USA / 25分
制作:Cedar Wright and Taylor Keating
シダー・ライト、テイラー・キーティング
Introduction
左腕に障害を持つクライマーのモーリーン・ベック。彼女は障害のあるクライマー、あるいは女性クライマーとしてではなく純粋に良いクライマーとして認められたいと思っている。彼女のクライミングは力強く、フィルムを通して圧倒的なパワーとなり見るもの惹きつける。
プロモでは伝わらないと思うんですが、フルバージョンではめちゃくちゃコメディに仕上がってます。
伝えたいことは「障害者(なのに)片手でクライミングに成功しました!拍手ー!」みたいな感動の構造に潜む「『弱者ががんばるの見て感動』って誰が弱者なんスか?」っていう、いわゆる感動ポルノに石を投げる痛快なムービーでした。
障害者=弱者って思ってる人も多くは悪気ないはずで、無知と善意の「困ってる人には親切にしなさい」って考えの適用範囲のミステイクだと思うんですよね。でも、この間違いを指摘するのって反発を生むよなあ〜
そこで、ムービー内では、このクライマーがクライミングバカで、それ以外はズボラで口も悪く自由なキャラにすることで「もしかして困ってる人じゃないのでは?」と自分で気づけるようにしてたんじゃないかと思ってます。
真実の矢を射るときは蜜に浸せ
※アラビアのことわざ:間違いを人に指摘するときは優しくしろ
だよなあって思いました。あとは「弱者=ズボラ」の公式ができちゃうのもまずいからいつまでも蜜に浸していてもいけないのだろうなあとか。