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あたらしい自分になる本 服部みれいさん

わたしの人生を変えた一冊、それは間違いなく服部みれいさんの『あたらしい自分になる本』です。

若いわたしは、大都会で一人暮らしをし、日々仕事に向かい、会社や社会のシステムに自分を合わせてがむしゃらに働いていく中で、いつの間にか自分の軸が分からず、自分の外側に答えを探すようになっていました。
その時代は「自分探し」というワードが流行っていたっけ。もれなくわたしも「自分って、、、」と考えに考えて、それでも自分が見つからない、と落胆するの繰り返し。
何がなんだか分からないまま苦しく、悲しく、満たされない。
こんなに頑張っているのに、こんなに我慢しているのに。
人に厳しく、自分に厳しく、正しさを追い求め、自分は正しいと思い込む。
一方で、なにかがおかしいと思い、でもそのおかしな厳しさから抜け出せないでいました。抜け出す方法がわからなかった。
休日後もストレスはまったく抜けず不機嫌で、毎日体はだるく、顔色は悪く、不健康そのものなのに、若さゆえに気合いで乗り切る日々。
メディアや社会の掲げるロールモデルのような、成功している何者かにならなければ、と無意識に思い込んでいました。
そして体は限界のサインをたくさん出していました。
起き上がれないほどのひどい頭痛、突発性難聴、めまい。どれも原因はストレスだということが、今となっては手に取るように分かります。

そんな限界状態の時に出会った服部みれいさんの『あたらしい自分になる本』。
その内容、書いてある考え方、物事を見る視点は、その時のわたしとは違うことが多すぎて、びっくり!むしろ、自分が信じてきたことと真逆でした。
ただ、とっても心地よかった。
へぇ、こんな考え方や方法もあるのか、と、まったく違う視点があることに気がつき、驚くほどすんなり自分の中に入ってきました。
自分を愛するなんて1mmも思ったことがなかったけれど、それがいまの自分に必要だと、強く強く感じました。本能が、魂が、感じたんだと思います。
自分が正しい、この世界で生きるには正しくないと生きていけない、負けてしまう、と思っていた自分に風穴が開き、そうではないかもしれない、正しさは必要ないかもしれない、と思い始めるきっかけとなりました。
この本から自分のあたらしい人生がはじまりました。
凝り固まっていて、自分の大事なアイデンティティとすら思っていた思い込みや着ぐるみを、少しずつ剥がしていくことができると気づかせてくれる本でした。
そして、思い込みを剥がした先には、元々の自分が、何年も探しに探した自分が、ずっと自分の中にいて、待っていてくれたのでした。
あたらしい自分とは、本来の自分でした。

この本を読んだ時は、内容が頭に入ってきても、こんな風に生きることなんてできない!という気持ちも生まれました。
凝り固まった思い込みはとても強固だったのです。なぜならそれは、社会に自分を合わせて生きるために身につけた鎧で、生きるためのものだったから。その鎧がないと生きていけないと思っていたから。ただ、その鎧は自分のことも気づかないうちに硬く縛って、苦しくなるほどだったわけです。
そして、その強固な思い込みを少しずつ剥がしていくことは、長い年月がかかりました。いまもなお、剥がしている最中です。

若さというのは本当にパワフルで、視野が狭く、自分勝手で、身の程知らず。自分のことも他人のこともありあまるパワーで傷つけて、それに気づかないことすらあるまま、生きている。
そんな時に、ふと立ち止まらせてくれて、肩を叩いてくれる本と出会えたことに、とてつもない感謝の気持ちが湧いてきます。
10年前の自分に言いたい。10年後、その本に書いてあるように、心地よく生きられるようになってるよ!と。





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