シェア
宍戸 里帆
2021年12月6日 08:26
(↓前編はこちらからどうぞ)不安と期待が入り交じった心持ちで迎えた大学入学の日。この頃には、AV女優になりたいと思った事、そしてその事実を消し去った過去すらすっかり忘れていた。なぜなら私には「大学教授(もしくは研究者)になる」という新たな目標が出来ていたから。今だからこそ言える事かもしれないが、この目標というのも結局のところ「高い学費を払ってもらい大学に入るのなら、それ相応の目的や志を持
2021年12月13日 09:22
「りほ様にはご来社頂きたく・・・」事務所の採用担当の方から返事が来たのはすぐだった。面接可能な日をいくつか提示し、その日が来るまでソワソワしながら待った。面接までに何か出来ることはないか。そう思い立ち、今の自分の想いを紙に書き留める事にした。昔から字を書くという行為が好きだったし、夢中になって書いていると心が整理される感覚があった。それに、私は肝心な時に大事な事を言えず後悔した事が何
2021年12月20日 08:04
というわけで、無事AV女優の事務所に所属する事が出来たのだが、所属しただけでAVに出演出来るという訳では無い。むしろここからが本番である。私はAV女優になろうと決意したその日から、この業界についてのあれやこれやを自分なりに色々調べてきた。そうして分かった事は、この世界で長く活躍していく為には努力を怠らないのは勿論、皮肉にも"運"というものが十分に関係しているらしいという事だった。無論、私
2021年12月27日 11:27
大学の授業が終わり、「今日も誰とも話さなかったな…」なんてぼんやりと思いながら、どこに寄り道するでも無くそそくさと電車に乗り込む。家に着いて携帯を見ると、一件の不在着信が入っていた。名前を見るとそれは事務所の社長さんからで、急いでかけ直すと、先日行ったメーカー周りの結果が出たとの事だった。恐る恐る話を聞くと、私には全部で四つのメーカーさんから専属契約のお声がかかっていたらしい。ということ