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プロタクト開発やシステム開発にかかるコスト・費用・相場・予算 〜見積方法や安く外注するコツを解説〜

はじめまして。
株式会社riplaで取締役CTOを務めている寒川(そうがわ)と申します。

弊社は「事業成長に伴走するプロダクト共創パートナー」として、IT事業会社出身のBizDev、PdM、PM、デザイナー、エンジニアによる専門チームが、プロダクトの立ち上げから成長まで包括的に支援する「Product Lab」や、SaaS事業を低コスト&短期間で立ち上げる「SaaS Box」というサービスを展開しております。

riplaのサービス「Product Lab」
riplaのサービス「SaaS Box」

私は、これまで数々のプロジェクトに "クライアントワーク" という形で携わり、大小さまざまなアプリケーションやシステムを開発してきました。本記事では、システム開発の外注を検討している方に向けて、私自身の経験を基に、システム開発にかかる費用や相場について解説していきます。

システム開発を外注する際には、費用が変動する要因は何なのか、作りたいものを作るにはどの程度の費用がかかるのかを理解することが重要です。また、これらを理解することでどうしたら安く外注できるのかも分かってきます。適正価格で外注するためにも、ぜひご参照ください。


システム開発の費用の内訳

システム開発の費用

システム開発の費用は、主に人件費で構成されています。システム開発には様々な専門家が関わり、それぞれの役割に応じた報酬が費用の大部分を占めます。具体的には、プロジェクトマネージャー(PM)デザイナーエンジニアの人件費が中心です。それぞれの役割は、およそ以下の通りです。

  • プロジェクトマネージャー(PM):プロジェクト全体の進行管理

  • デザイナー:ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)の設計

  • エンジニア:実際のシステムの構築・開発

また、システム開発には初期費用だけでなく、保守・運用費やシステムの維持費も別途発生します。システムが稼働し始めた後も、定期的なメンテナンスやバグ修正、機能追加が必要となります。これらの作業も専門的なスキルが要求されるため、継続的な人件費がかかります。特に大規模なシステムや長期的に使用されるシステムでは、保守・運用費が総コストの大部分を占めることもあります。サーバーやデータベースを維持するのにもコストがかかります。

このように、システム開発の費用は多岐にわたる要素から構成されており、単に開発時のコストだけでなく、長期的な視点での維持・運用コストも考慮する必要があります。適切な予算設定を行うためには、これらの費用を総合的に見積もることが重要です。結果として、プロジェクトの総費用を正確に把握し、適切な資金計画を立てることが可能となります。

システム開発の人件費

役割ごとの人月単価

システム開発の費用は主に人件費で構成されていることを説明しました。ここでは、役割ごとに人月単価の相場を解説していきます。
※ 人月単価とは、1人のメンバーが1ヶ月間働く際にかかる費用のことを指します。

役割ごとの人月単価

まず、PMについて説明します。PMはプロジェクト全体の進行管理を担当し、クライアントとのコミュニケーションやチームメンバー間の調整、スケジュール管理などを行います。PMの経験やスキルによってプロジェクトの成功が左右されるため、高い報酬が支払われることが一般的です。

次に、デザイナーです。デザイナーはユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)を設計します。デザインはユーザーの使いやすさや視覚的な魅力に直結するため、非常に重要な役割を果たします。デザイナーのスキルや経験によって、プロジェクトの完成度が大きく変わるため、こちらも相応の人件費がかかります。

最後に、エンジニアです。エンジニアは実際のシステムを構築・開発します。プログラムの設計やコーディング、テスト、デプロイなど、多岐にわたる作業を行います。システムの品質や性能はエンジニアの技術力に大きく依存するため、高い技術力を持つエンジニアには高額な報酬が支払われます。

人件費の計算方法

システム開発にかかる人件費

システム開発の人件費は、役割ごとの人月単価にそれぞれの工数を掛け算して、合計して算出します。

経験則から申し上げると、工数の内訳は
PMの工数):(デザイナーの工数):(エンジニアの工数)=1:2:9
くらいなので、例えば、それぞれの人月単価と工数を

  • PMの人月単価:150万、PMの工数:0.5ヶ月

  • デザイナーの人月単価:90万、デザイナーの工数:1ヶ月

  • エンジニアの人月単価:120万、エンジニアの工数:4.5ヶ月

とすると、システム開発にかかる人件費は、
   150万円/月 × 0.5ヶ月 + 90万円/月 × 1ヶ月 + 120万円/月 × 4.5ヶ月
= 75万円 + 90万円 + 540万円
= 705万円
というように算出されます。

システム開発にかかる人件費(例)

システム開発の費用が変動する要因

システム開発の費用は、さまざまな要因によって変動します。主に「メンバーの人月単価」と「工数」の2つが大きな要因となります。ここでは、これらの要因について詳しく説明し、どのように費用に影響を与えるのかを説明します。

システム開発費の変動要因

メンバーの人月単価の変動要因

システム開発の費用は、プロジェクトに関与するメンバーの「人月単価」に大きく依存します。人月単価は、メンバーのスキル知識経験に基づいて設定されます。経験豊富なメンバーや専門的な知識を持つメンバーほど、その単価は高くなる傾向があります。これは、彼らが持つ専門的なスキルや効率的な作業方法がプロジェクトにおいて大きな価値を提供するからです。

しかし、単価が安いメンバーが必ずしも最適な選択とは限りません。単価の高い優秀なメンバーは、高いパフォーマンスを発揮するため、プロジェクトをより短い工数で進めることができます。結果的には、少ない工数でプロジェクトが完了し、全体的な費用を抑えられる可能性があります。

特に、規模の大きな、複雑な、またはスケジュールがタイトなプロジェクトでは、単価が高くても優秀なメンバーで取り組むことで、プロジェクトをより小さなコストで進めることができます。優秀なメンバーは、問題解決能力が高く、効率的な作業ができるため、結果的にプロジェクトを速く、安く完了させることが可能です。

工数の変動要因

工数は、開発の規模複雑さ技術的な難しさ、スケジュールのタイトさなどに影響されます。プロジェクトの規模が大きいほど、必要な工数は増加します。また、開発が複雑であればあるほど、解決すべき課題や調整作業が多くなり、工数が増えることになります。技術的な難しさも同様に、工数に大きな影響を与えます。

また、プロジェクトの進行中に追加の要求要件の変更が発生すると、工数はさらに増大します。これにより、開発チームは追加作業や再調整を行う必要があり、結果的にプロジェクトの費用が増加します。

PMの工数

PMの工数は、要求の曖昧さ要件の複雑さスケジュールのタイトさシステムの規模メンバーの人数などによって変動します。要求が不明瞭であったり、要件が複雑であったりすると、PMはより多くの時間を費やして調整や管理を行う必要があります。また、スケジュールがタイトであればあるほど、PMは頻繁に計画の見直しを行う必要があるための工数が増えます。

デザイナーの工数

デザイナーの工数は、システムの規模要件の複雑さスケジュールのタイトさによって変動します。大規模なシステムや複雑なデザイン要件がある場合、デザイナーは多くの時間をかけて設計や調整を行う必要があります。特に、UIやUXに関する要件が複雑な場合、デザイナーの工数は増加します。スケジュールが厳しい場合も、デザインの品質を保ちながら短期間で成果物を出すために工数が増えることがあります。

エンジニアの工数

エンジニアの工数は、システムの規模要件の複雑さ技術的な難易度スケジュールのタイトさメンバーの人数などによって変動します。大規模なシステムや技術的な難易度が高い場合、エンジニアは多くの時間を費やして開発やテストを行う必要があります。また、スケジュールがタイトな場合、より多くの工数が必要となることがあります。人数が多ければ分担も可能ですが、調整作業が増えるため、全体的な工数は一概に減少しない場合もあります。

費用を安くするには

ここでは、システム開発の費用を抑えるために意識すべきことをいくつか紹介します。

1. 要求を細かく具体的に説明する

プロジェクト開始時に要求を詳細に説明し、明確にすることが重要です。要求が曖昧であると、開発プロセス中に追加の要件が発生し、工数が増加する可能性があります。要件を具体的に定義することで、開発チームが何を達成すべきかが明確になり、無駄な作業や再作業を避けることができます。

2. 途中での要求追加や要件変更を避ける

プロジェクトの進行中に追加の要求や要件変更が発生すると、工数が増え、結果的に費用が増加します。要求の変更を最小限に抑えるためには、プロジェクト開始前に十分な検討と計画を行い、確定した要件に対して忠実に開発を進めることが重要です。

3. 優秀なメンバーで取り組む

比較的単価が高くても、優秀なメンバーをプロジェクトに配置することで、長期的にはコストを抑えることができます。優秀なメンバーは、高いパフォーマンスを発揮し、より短い工数でプロジェクトを進めることができるため、結果的には総コストを低く抑えることができます。

4. PMにコストを惜しまない

特に、プロジェクトマネージャー(PM)は、プロジェクトの成功に大きく影響するので、コストを惜しまないことが推奨されます。優れたPMがいることで、プロジェクトの進行がスムーズになり、デザイナーやエンジニアの工数を低く抑えることができます。PMの工数は全体の10%程度と比較的小さいため、PMに比較的大きなコストをかけても、全体のコストへの影響は小さく、むしろデザイナーやエンジニアにかかる費用が抑えられるので、結果として総コストの削減につながります。

5. 必要最低限の機能に絞る

プロジェクトの初期段階では、必要最低限の機能に絞って開発を進めることが効果的です。これにより、開発コストを抑え、最小限の機能でプロジェクトを早期にリリースすることができます。初期リリース後に追加機能を段階的に追加することで、リスクを最小限に抑えつつ、システムの機能を拡張していくことができます。

6. 優先度の高いものから段階的にリリースする

プロジェクトの成果物を段階的にリリースすることで、初期段階でのリスクを軽減し、早期にユーザーからのフィードバックを得ることができます。これにより、必要な改善点を早期に把握し、費用の無駄を減らすことができます。優先度の高い機能から順にリリースし、段階的にシステムを完成させるアプローチが有効です。

7. 補助金を検討する

プロジェクトに対して利用可能な補助金や助成金を検討することも費用削減に寄与します。補助金を活用することで、開発コストの一部をカバーすることができ、結果としてプロジェクト全体の費用を抑えることが可能です。補助金の申請や取得には一定の手続きが必要ですが、資金面でのサポートを受けることで、プロジェクトの予算に余裕を持たせることができます。

以上のアプローチを意識することで、システム開発の費用を効果的にコントロールし、コスト削減を実現することができます。計画的に進めることと、適切なメンバーの配置、そして効率的な管理が費用削減の鍵となります。

費用の相場(事例別紹介)

システム開発の費用は、規模や複雑さ、技術的な難しさ、期間などによって変動します。ここでは、事例ごとにシステム開発の費用の相場について紹介します。

SaaSにはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしては人材管理、生産管理、販売管理、営業管理、会計管理などが挙げられます。アプリも多岐にわたりますが、代表的なものにはEC、マッチングアプリ、SNSなどがあります。

平均的な機能を持つSaaSの費用例

例えば、SaaSを例に取り費用の例を説明します。一般的なSaaSの構成は、運営向け画面とクライアント向け画面の二つに大きく分けられます。運営向け画面では、主に、ログイン機能、運営アカウント管理、クライアント管理などの機能が挙げられます。クライアント向け画面では、そのSaaSごとにユニークな機能を実装することになりますが、ログイン機能、ユーザー管理あたりはどのSaaSでも必要になる一般的な機能でしょう。
今回は具体的に以下のような構成を持つ場合の費用の例について説明していきます。

運営向け画面
1. ログイン関係(ログイン、パスワードリセットなど)
2. 運営アカウント管理(運営アカウントの一覧表示、追加、削除など)
3. クライアント管理(クライアントの一覧表示、追加、削除など)
クライアント向け画面
1. ログイン関係(ログイン、パスワードリセットなど)
2. ユーザー管理(クライアント画面を利用するユーザーの一覧表示、追加、削除など)
3. 顧客管理(顧客の一覧表示、追加、削除、詳細表示、編集など)
4. 商品・コンテンツ管理(商品・コンテンツの一覧表示、追加、削除、詳細表示、編集など)
5. 販売管理(販売履歴の一覧表示、追加、削除、詳細表示、編集など)

これらの機能を実装するための費用の目安を以下に示します。

各機能の費用目安

  • 各画面の環境構築・デプロイ:50〜200万円

  • ログイン関係:50〜200万円

  • 各種管理機能:50〜150万円

費用の具体例

今回例に挙げた構成を持つ場合の費用の例を示します。

運営向け画面
0. 環境構築・デプロイ:100万円前後
1. ログイン関係:100万円前後
2. 運営アカウント管理:100万円前後
3. クライアント管理:100万円前後
クライアント向け画面
0. 環境構築・デプロイ:100万円前後
1. ログイン関係:100万円前後
2. ユーザー管理:100万円前後
3. 顧客管理:100万円前後
4. 商品・コンテンツ管理:100万円前後
5. 販売管理:100万円前後

合計すると、これらの機能を実装するための費用は約1,000万円程度となります。

各画面に実装したい機能や管理したい情報の追加や削除によって費用は上下します。例えば、クライアント画面から販売管理機能を削除すればその分費用は削減できますし、逆に販売後の配送状況を管理する機能を追加したければ、その分費用は増大します。

システム開発会社を選ぶポイント

システム開発をどの会社に発注するかを決める際には、慎重な判断が必要です。以下のポイントを基に選定を行うことで、プロジェクトの成功率を高めることができます。

1. 本当に要求を実現できるのか

まず、開発会社が自社のプロジェクトに対して本当に対応できるかを確認しましょう。過去の実績やケーススタディをチェックし、類似のシステムを成功裏に開発した経験があるかどうかを調べます。また、技術力や専門性が要求される場合、その分野でのスキルや知識を持っているかも確認することが重要です。これにより、自社のニーズに最適なソリューションが提供されるかどうかを見極めることができます。

2. 費用とスケジュールの明確さ

費用とスケジュールは、プロジェクトの成否に大きな影響を与えます。見積もりが明確で、予算内に収まるかどうかを確認し、追加コストが発生する可能性についても理解しておきましょう。さらに、提示された開発スケジュールが現実的であるか、期限内にプロジェクトを完了できるかを評価することが重要です。スケジュール遅延は、追加費用やビジネス機会の損失につながる可能性があります。

3. PMのスキル

プロジェクトマネージャー(PM)のスキルは、プロジェクトの成功に直結します。PMは、プロジェクトの進行状況を管理し、問題が発生した際に迅速に対応する役割を担います。PMの経験やスキルが高いほど、プロジェクトのリスク管理やコミュニケーションが円滑になり、結果として高品質な成果物が期待できます。PMの実績や過去のプロジェクトにおける対応力を確認することが大切です。

4. 商談の印象

商談の際には、要求を伝えた際に開発会社が高い理解力深い洞察力を示してくれるかを評価しましょう。開発会社が自社のビジネスニーズをしっかりと理解し、適切な提案を行ってくれるかどうかは、プロジェクトの成功に直結します。要求が具体的でなくても、的確な質問を通じて理解を深めようとする姿勢があるか確認することが重要です。
コミュニケーションのしやすさも重要な要素です。開発会社とのコミュニケーションがスムーズであり、双方の意思疎通が確実に行われていると感じられるかどうかを確認します。話が通じると感じることは、プロジェクトの進行を円滑にし、問題解決が迅速に行われることに寄与します。

5. ビジネス目線で取り組みができるか

開発者目線だけでなく、ビジネス目線でプロジェクトに取り組む姿勢も重要な評価ポイントです。多くの開発会社はその立場上、技術的な視点に偏りがちですが、自社と同じ立場に立ってビジネスの視点からプロジェクトに取り組む姿勢を持つ開発会社は高く評価されるべきです。ビジネス目線でのアプローチにより、単なる技術的解決策に留まらず、ビジネスの成果を最大化するための実用的なアイデアや戦略を提案することが期待できます。これにより、システムがビジネスの目標達成にどのように貢献できるかを考慮した最適なソリューションが提供されるでしょう。

最後に

本記事では、システム開発にかかる費用について、その内訳や、変動要因相場どうすれば安くできるのかシステム開発会社を選ぶポイントなどについて解説してきました。簡単に以下にまとめます。

  • システム開発にかかる費用:主に人件費

  • 費用の変動要因:開発規模、複雑さ、技術的な難しさ、期間など

  • 費用を安く抑えるには:PMにかけるコストを惜しまない

  • システム開発会社を選ぶポイント:優秀なPMが存在するか

改めてではありますが、株式会社riplaでは、IT事業会社出身のBizDev、PdM、PM、デザイナー、エンジニアによる専門チームが、プロダクトの立ち上げから成長まで包括的に支援しております。IT事業会社出身のプロフェッショナルなメンバーを集めているため、プロダクト成長を第一に伴走いたします。

riplaのサービス「Product Lab」

また、SaaS事業を低コスト&短期間で立ち上げる「SaaS Box」というサービスを展開しております。

riplaのサービス「SaaS Box」

特に、システム開発・プロダクト開発では、フルサイクルエンジニアと呼ばれる、開発の全工程(企画、要件定義、実装、テスト、運用など)を1人で担当できる優秀なエンジニアをPMとしてアサインし、プロジェクトに取り組んでおります。

もし、
システム開発を外注したい
・システム開発の外注についてまずは話を聞きたい
といったご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。システム開発の外注を検討されている方々にとって、この記事が有益な情報源となり、プロジェクト成功への一助となれば幸いです。最適なパートナーシップを築くためのご参考にしていただければと思います。

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