読書感想 vol.1
僕は読書、特に小説を読むことが好きです。
しかし最近はもっぱら読書タイムが少なくなってます。
のんびり本を読む時間を作り、読みっぱなしで終わらせず、思ったことや感じたことを綴っていこうと思います。
我が友、スミス 〜石田夏穂〜
初回は昨年末から読み始めた『我が友、スミス』についてです。
自分と身近なスポーツジムを舞台にした話なので入りやすい。
ジムに通う主人公の女性、鍛え方があまりに本格的だったため、元ボディ・ビル選手で新しくジムを起ち上げるトレーナーから大会に出場するよう促されます。そしてスカウトされて大会を目指すためにジムを移籍します。
もうこの時点で、自分が取り組む競技のセンスがあるということ、自分にはないものなので羨ましい。
レベルの高い大会を目指していく中で理想の筋肉になるために、ただひたすら体を鍛えればいいというわけにはいかないことに気付かされます。
見た目や立ち居振る舞いにまで磨きを掛けていき、また「女性らしさ」というものまで求められる。
多分、趣味というか楽しむために始めたことが、そこを究めていく過程で葛藤を感じる時ってきっとありますよね。
楽しいことが、いつも楽で面白いだけでなくキツイことを乗り越える場合もある。
もしかしたら苦痛で犠牲を払っている時があるかもしれません。
それで完全にそこから離れてしまうか、また一時的に距離を置いてもいずれそこに戻ってくるのか。
辞めずにたとえ細々とでも、とりあえず続けていれば、ひとつのことを継続していくことができる。
この主人公は大きな大会を経験して、ボディ・ビルという競技と、今までと形を変えてずっと携わっていくのだろうなと想像しました。
「女性がムキムキに…」と偏見を持った言われ方をする場面もありますが、僕はそういうのカッコいいと思います。
そんな世間の目とも闘っている人を、僕はいいなあと思ってます。