うつになってタクシードライバー辞めた話1〜研修編〜
社会不適合な私がタクシードライバーをやって案の定、一年で辞めた話です。
あくまでも私の体験談です。
私が向いてなかっただけです。
長くなるので何回かに分けるつもりです。
・幻のタクシードリーム
きっかけはネットの広告でした。
「タクシードライバーで年収500万!!」
当時の仕事(運送会社の拠点の現場側の係長みたいなポジション)が激務で安月給だしで嫌気がさしていた私にこの言葉が深く刺さりました。
「タクシーか…運転好きだしやってみようかな。」
当時スバルのBP5型レガシィに乗っていて運転にも自信があった私はそんな簡単な理由でタクシードライバーを目指して準備をこそこそ始めました。
まずは会社が主催する説明会に行きました。
「今はカーナビがあるから道を知らなくても大丈夫!」
「タクシードライバーは凄くワークライフバランスがいい仕事なんです!」と熱意のある説明を受けて
当時の仕事はワークライフバランスがめちゃくちゃだったので
「素晴らしい…」
となってしまった私はこの仕事が合ってるかどうかも考えずに(いや、考えたくなかったのかもしれない)乗せられるようにあれよあれよと面接を受けて見事合格。
晴れてタクシードライバーとなり、うつ病への道が始まるのでした。
ちなみに職場の上司や先輩、友人、家族のほぼ全員から「絶対向いてない」と反対されてました。
…みんなごめんよぉ…もう自分でも止められなかったんだ…
・軍隊のような新人研修
晴れて大手のタクシー会社に転職した私は本社で行われる研修に参加しました。
そこでまず驚いたのが研修の厳しさです。
朝礼では座るときの姿勢から机に置くテキストの並べ方まで指定され、まるで軍隊のようなとても厳しい研修の日々が待っていました。
まずは教習所へ行き2種免許の勉強です。
そこで道路交通法と運転の知識をもう一度洗いざらい学び、2週間で卒業します。
こういうのは得意だったので難なく卒業できました。
戻ってくると次は難関、地理試験です。
地理試験は、地図で示された主要幹線道路の名前を答えたり、地図で示された主要施設の名前を答えるというもの。
更には乗車地から降車地までの最短経路を答えるものなどがあり、
これがかなり難しく、知識なしで挑まされた練習問題ではほぼ点数が取れませんでした。
しかも朝礼の際に地理試験の担当の教官が昨日試験を受けてきた人に「1発合格、おめでとうございます」と言うもんだからすごいプレッシャー…。
※現在ではこの地理試験は廃止されていますのでご心配なく。
必死に勉強して一緒に勉強していた仲間から「ちくちくさんなら一発合格だろう」と言われていましたが本番に弱い私は1人見事落ちました。
みんなで打ち上げの話もしていたのでかなり空気を悪くさせました。(まあ、打ち上げはあまり乗り気ではなかったけどね)
なんだかんだで自腹切って翌日合格して研修に戻りました。
・恐怖!実地研修!!
地理試験も受かったということでいよいよ本格的な研修です。
無駄に笑いを取ろうとする研修ビデオを見たりする座学ともう一つ、本当の車を走らせて行う実地研修がありました。
実地研修、これがまぁ恐ろしいのなんの。
教官を乗せて接客の練習をしながら本番さながらに都内を走るという研修ですが教官が厳しいのなんの。
教習車にカーナビは付いておらず、お客様に教えてもらうという形で交差点を早口で言われて覚えて走るというもの。
支払いの時も「カードで…あっやっぱり現金で」とか端末を準備してから言ってきたりで意地悪してくるのよ。
道や手順を間違えると教官は我々に「お前は向いてない」とか普通に言ってくるからね。
でも、今思えば凄く優しかったよ。
ありがとう。
んでもって怖い怖い実地研修も終えて卒業試験をするわけですがその頃研修生の1人からある話を聞くのでした。
「なんだか中国で変な肺炎が流行ってるみたいですね」
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