僕とプライド君
あー、この問題わかんない
そう言っていつも通りペンを放り投げる
僕は受験を控えた高校二年生
志望校は自分の実力では到底かなわないような難易度の高い大学
でも受かりたい
その一心で勉強している
その大学を目指そうと決意したときは
まずは参考書からそろえていこうということもあり、その大学の人向けの参考書を買った
やるからにはということで、思い切って買ってはみたものの正直言っていることの半分もわからなかった
あー、もうわからないよ
心の中ではそう言っているつもりだった
でもプライド君が邪魔してくる
あー、ここはそういうことね
勝手に口が先走った
実際そこに関してはわかった、けれどそういうことによってあたかもそこを含む問題全体のことが納得できたかのように錯覚させようとしていた
そして、その問題は解決できたとみなしもう触れることはない
どれだけ無駄な時間なのだろうか
君はあの大学を目指す優秀な子なんだからこれくらいできて当たり前だよね
プライド君はいつもそういう
それに僕もなびいてしまって
優秀なんだからいっか
そう思ってしまう
成績なんて参考書を手に入れてから全く上がっていないのに
そんなことを思いながら過ごしていたある日
僕なんかよりとても優秀な友達と哲学の話になった
彼は、特に社会科目と国語が得意で”THE文系学生”というような感じであった
彼はその時、youtubeの話しかしなかった
僕はてっきり彼のような優秀な人はさらに難しい本とか参考書な話をするのかと思っていた
でも、彼の中に出てきたお話はどれも僕なんかでもよくわかるお話ばかりであった
次第に興味が出てきて、その動画を見てみることにした
プライド君はこういう
そんなちんけなもの見てほんとに身になると思ってるの?
そんなのはもっと初めに見ておくべきものだよ
一瞬手が止まる
でも、ここではプライドよりも将来の僕に対する不安が勝った
このままわかっているふりをして人生過ごしていったら僕はどうなってしまうんだろう
そんな漠然としつつも、強烈な不安
それに圧倒されて動画を再生した
内容は僕があまりわかっていない哲学者のお話
その作成者はよく陳腐なたとえを持ち出した
でも、それがとても分かりやすかった
思えば、彼も説明するときはとても分かりやすい言葉で説明してくれる
だから誰もがその内容に納得できる
だからこそ、動画を見ているときはプライドとかほかのいらない感情を捨ててただひたすらに集中していた
見終わったときには得も言われぬ開放感があった
今までもやもやで終わっていたものが明るさを帯びて自分の前に姿をさらわしてくれた
それからの勉強は机に向かう時間よりもスマホに向かう時間の方が多くなった
僕がわからなくなったことはすぐ検索にかけてわかりやすい言葉で紹介してくれる人を探した
実際その勉強法に変えてからは、本質を見抜く力が格段に上がり問題に対する対応力も上がった
ついには僕がわからないと心の中で駄々をこねていた問題も解き方を調べずに解けるようになっていた
なーんだ、僕のペースでいいのか
問題を解き終わったとき、いままで抱えていたプライド君とともにペンを机に置いた
いかかだったでしょうか
よく何人かの東大生が
学校の教科書だけで合格しました
と言う背景にはこのようなことがあるのではないかと思います
私は、本当にこのお話にある通り動画やわかりやすい本をベースとして勉強しています
それらは
いわば仲介者です
専門家が何言っているのかわかんないから私たちがみんながわかるような例
そうだなー、机とかどうだ?誰でもわかるだろう
こんな例を使ってみんなに教えてあげよう
というのです
うれしい限りです
しかも彼らは必ずと言っていいほど人気があります
昔、法然という人物がいました
彼は大衆にとっての宗を実践しました
それと今の時代の彼らがやっていることはあまり変わりありません
ですので、人気な人を探してみるのも一つかもしれません
ここまで自分よがりなショートショートと雑談でしたが、小耳にはさんでいただけたら嬉しいです
それではまた