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ヴィヴァーチェを語りたい

10月30日に配信リリースされた「ヴィヴァーチェ」。
ロマンスポルノで初披露されてから、カナデビアさんのCMで部分的に啜る日々を送っていましたが、フルでいつでも聞けるようになって非常にQOLが上がっています。うれしい。

以下、所感(たましいのさけび)です。

解放区とヴィヴァーチェ

リリースの順番的に、どうしても前作と比較したくなってしまう。許してください。
解放区が「今、ここ」賛歌(不変的な暗闇の中でも身近な灯を再確認する…みたいな。証言の英語詩のような。)のように捉えられる一方、
ヴィヴァーチェは自分の心躍るほうへ「声」を響かせてゆけという力強いメッセージで変化を受け入れてくれています。
夜の解放区、日中のヴィヴァーチェといった感じで、進む時も立ち止まる時も寄り添っていてくれるポルノグラフィティの守備範囲の広さは凄まじいです。
両曲には「解放」という歌詞が共通して登場しますが、自分の掟(ルール)をつくる解放区と、自分の壁(立ち位置)を解放するヴィヴァーチェでは逆の行動で「自由」を見出しているのが面白いと思いました。
ネオメロと黄昏ロマンスの対比に近いものを感じたり…。

身体を駆け巡る音の流動

宗本康兵さんが編曲に参加されているということもあり、全楽器の奏でる音が血沸き肉躍る生命感にあふれています。
個人的好きポインツを書き連ねていきます。

イントロのギター(ティキティティーン!!!)
ギフトのイントロのように印象的。
耳を駆け抜ける初速度がこの曲の勢いを物語っている。
音が鳴った後も脳にタイヤ痕が焼き付いている。
この曲全体的にドラムス(ハイハット)が沸騰した鍋蓋みたいに踊っているのもギフトっぽさがある。
パントマイムの壁の中=箱の中みたいな連想もしたり。

カスタネット?
高速すぎて見えない。ブラックペッパーみたいなアクセントでカラッとした音が非常に気持ちいい。

・「パントマイム」の「パン」で鳴るドラム
粋!!!!すき!!!

Aメロの二の足踏みギター ➔ ギターソロでのストリングスとの乱高下
からの跳躍
「解放」の前と後の変化のようで良い。
この曲のギターには主人公=自分自身の心情が反映されているような気がする。(妄想)
ギターソロのラストの跳躍(レ➔ラ)はサビのラスト(歌え)と同じ音で粋。このメロディが「解放の合図」のような気もしている。

サビ前の盛り上がり
「解放の合図」のメロディが学校のチャイムっぽいのと、差し込まれるピアノの音もPCとかの起動サウンドっぽい。
「知らせるのは…」あたりからのドラム速すぎてドラムロールみたいになっているのも含めて「絶対なんか始まる!感」が良い。

・サビの解放感
ダイナミックに動き回るストリングスがこの曲を流れる血液のよう。
軽やかなボーカルのエネルギーと並走する音の流動が、強制的に脳を覚醒させてくれる。パノラマ音楽体験。

・2番の前のベース
オデ、歌うベース、ダイスキ。

歌い手の説得力

「もっとお気楽に~強張ったままじゃ響かない」の部分。
ジョイサウンドかダムチャンネルのインタビュー(探したけど見つからなかった)で昭仁さんがおっしゃっていた解放区を歌うコツ(脱力)に通じるものがある。
俯瞰的な目線の歌詞(「キミ」に語りかける目線)も、壁を越えた未来からのメッセージ(ロマポルでのコメント:山の頂上に立って次の山が見えた)や、おかのーとの経験則=生き様(岡野少年の生い立ち~リハーサル好きエピソード:歌うの楽しい!!)を感じられるため、とっても説得力がある。

歌えば歌うほど洗練されていく昭仁さんの「歌え」には、ご本人及びポルノグラフィティのこれからの可能性と、何よりも力強いエールを感じざるを得ない。

ライブでまた聞ける日まで、いっぱい聞きます。