幼き日のゲーム選び
あなたは子どものころどうやってファミコンのカセットを買ってもらったでしょうか?
友達の話を聴くと、親がサプライズで買ってくれることもあれば、仕事帰りに買ってきたこともあった。中には、親自身が遊ぶから買ってきたという話もあり、とても羨ましかった。友達は2,3ヶ月に一本くらいのペースで買ってもらっていた印象だった。よく遊ぶ友達の家は医者だったり、役職についた親がいた友達が多かったかもしれない。
すぐには買ってくれない私の両親は、ゲームを買ってもらうにはとても苦労した。買ってもらえるのは年に1、2本だったか。
買ってほしいときは、タイミングを見計らって「カセット買って?」とストレートに聞いてみたり、しつこくねだって買ってもらったり、お年玉を貯めたり、ゲームを売ったりして、お金を工面したりした。
当時、ファミコンは子どもたちの間で大人気だったが、親からしたゲームを見ていてもルールも面白さも理解しづらく、単なる子どもの遊びに高額なお金をかけることに慎重だった。
そんな状況のなかで、おもちゃコーナーでねだって買ってもらえた話だ。
電車で20分ほど離れた街のデパートに家族で遊びに行った。普段住んでいる町より遥かに高い建物が並んだ風景は、別世界でそれだけで特別感があった。普段は何を買うでもなくデパートの各階を巡り、最上階でお子様ランチを食べ、帰りにデパートのロゴが入った白あんのまんじゅうを買って帰るだけだった。それだけでも楽しかった。
おもちゃコーナーのガラスケースのファミコンソフトに目が留まった。セール品だったと思う。
記憶では頼んだら「まあ、いいよ」くらいのノリで許可が降りた気がする。しかし、安いことを理由にねだった結果、親が根負けして「まあ、いいよ」だったかもしれない。これは今思った想像だが。
まさかの購入許可に心が踊り、候補に「ミラクルロピット」と「魔城伝説II 大魔司教ガリウス」の二つで迷った。ガリウスは4千円台で、ミラクルロピットは3千円後半だった気がする。
当時はコナミの絶対安定感を理解しておらず、なぜか買ってくれる親の負担を配慮して、値段が安いミラクルロピットを選んだ。
買ってもらった嬉しさに、購入直後から説明書を出し、歩きながら読んでいて親に注意されたことを思い出した。
家に着いて、休憩するまもなく、カートリッジをセットして電源をオン!
タイトル音楽が流れ、スタートボタンを押してプレイ開始。
ミラクルロピットは行方不明の兄をロボット(ミラクルロピット)に乗って?合体して?助けに行くスーパーマリオのような横スクロールアクションだ。横スクロールアクション+ジャンプアクションでつまらないはずはないと期待値MAXだった。が、とにかくわからない。ロボットがやられると中から女の子が飛び出し、操作できる。音楽が変わって30秒ほどで音楽(かわいい音楽だけど、無機的な感じがトラウマ)が終わると、コンピュータ音で再現したキャーとともに突然ミス。洞窟に入ると画面がスクロールして先に進むワープゾーンだった。しかし洞窟から出た瞬間吹っ飛びミスになる(なんで洞窟から出た瞬間吹っ飛ぶのか、そのあと女の子がロボットからでてくるのか?)。高いところから飛び降りるとロボットが短足になり、何度かジャンプすると戻る(これはなんとなくわかるが、必要?)。空から降ってきた赤い球に当たるとミスになるが、乗ると3つのアイテムが出てきてパワーアップする。3方向、空を飛ぶ、あと一つ何かの効果は忘れてしまった。。。なぜか犬がやたらと強い。ゴール前の壁が開かずゴールできない。
とにかく理解できないことだらけ、さらに1面もクリアできない。幼心に「失敗した!」と思った。生暖かい部屋の暑さと、訳のわからなさ、高難易度のゲームを掴んでしまった後悔。そのすべてが混ざり、じんわりと汗がにじんだ記憶が今も残っている。 ここまでははっきりと覚えているが、そのあとのことは全く覚えていない。何度もガリウスを買っていたらどんなゲーム体験ができたのだろうと別の世界線を想像していた。
ミラクルロピット ~げーむのせつめいしょ(仮)~ (ファミコン編)
http://setsumei.html.xdomain.jp/famicom/miracleropit/miracleropit.html
コメ付き ミラクルロピット 2100年の冒険 ファミコン プレイ動画 - YouTube
https://youtu.be/VGlU1gLe1wE