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留学における理想と現実

韓国に留学したての頃、私はもちろん大好きな韓国語を学べる楽しさでいっぱいでした。身分も学生なので楽なもんです。

なぜ留学にきたか。

私は以前に書いた通りの長いストーリーがありますが、他の学生さんたちも皆さんそれぞれ理由がありました。

大学で第二言語として学んでて交換留学できた人(この割合が多かった)、結婚してきた人、お姉さんが韓国人と結婚して姪っ子と韓国語で話したいから、と来た人、その理由は人によって様々です。

その中には、ドラマやKPOPに憧れて来ていた人もチラホラいらっしゃいました。

楽しんでいる人ももちろんいましたが、中には、あまり韓国という国をよく知らずに来ていて、理想と違ったと嘆く人もみました。

例えば、

公共トイレが汚い
現在はソウルの洗練されたところは綺麗ですが、当時は本当に汚いところが多かったです。水圧が弱いせいでトイレットペーパーが流れないので便器に流したらいけないのですが、置いてあるゴミ箱から使用済みティッシュペーパーが溢れていたり。詳しい描写は避けますが、某有名カフェでも本当に汚いところもありました。

人がぶつかってくる
日本では人にぶつからないように自然と避けて歩くけど(多分世界的にみても日本が珍しい)韓国ではわざとか!?と思うほどぶつかるし、そもそも避けない。そしてぶつかっても当然なので何も言わない。

そのことに憤慨してる日本人は多かったです。

現在はそういう韓国人は昔よりは少なくなりましたが。

去年ソウルで小さな子が人に軽くぶつかってたけど、「すみません」とひとこと言っているのを見て、親がちゃんと教育しているんだろうな、と思いました。それを見て、時代が変わった、と感じましたね。

接客は日本ほど丁寧ではない
これは、日本が丁寧過ぎるのです。この日本の接客を外国で求めてはいけません。これも、現在の韓国はだいぶ変わったと思いますが。
今はどうだろう?
当時は、南大門や東大門ではお店の中でケータイ触ってるし、洋服屋さんで普通にチゲとか食事してるし。
見るだけ見て、買わなかったら文句もフツーに言われましたしね。

街が汚い
ソウルのど真ん中では、今では信じられないかもしれません。
あの頃はゴミはあちこち落ちているし。ゴミ箱に入れていても溢れているし。

日本にない光景だわ〜と思ったのが、チラシを撒きながら走るバイク。
バイクのほうが効率よく撒けて人の目にとまりやすいからでしょうかね。
ビューンとバイクが通り過ぎるのと同時に、チラシが紙吹雪のように宙に舞って、いずれ道に落ちて、その上を車が走る、人々が踏んで歩く…そして見事なゴミの山に変わります。

これも最近見ない気がするけど、まだあるんでしょうか。


その他国民性に関することも多々…山のようにあります。

住んでいた当時ならこれだけで本が書けたんじゃないか(今ならnoteにリアルタイムに書けたはず)と思うくらいですが、もう記憶が薄々なんでここまで。


とにかく、嫌なことに目を向け始めると止まらなくなるあの感じです。

日本と韓国は、同じアジア人で見た目も似ているので、ついつい「おなじ」という感覚に陥ります。
ですが、知れば知るほど、日本と韓国は「ちがう」のです。
当たり前と言えば当たり前なんですが、外国人なんですね。お互いにとって。

国民性や慣習など、同じアジアなのでもちろん似ている部分もありますが、違う部分もあります。

むしろマナーなど真逆なんじゃ?!と思うくらい。これについてもまた後日書くかもしれません。

隣国だし、ドラマや音楽で距離が近くなった分、「おなじ」と思って韓国に留学などにくるとそのギャップに驚きます。

そしておそらく、人によっては「裏切られた」感覚になるのではないかと思います。

せっかく韓国に来たのに、文句ばかり言って韓国を嫌いになって帰国する人も見てきました。

留学は、楽しいだけの旅行とは違いますから。
住んでいると色々見えてくることもあります。

私はというと、上記のようなことを、文化の違いとして楽しんでいました。
むしろ違うほうが楽しいというか。

トイレ…汚いわ〜でもこれも外国に住んでいる証ね。

人がぶつかってくる…全然OK、私も無理に避けずに、仕方ない時はちょっとぶつかることも。向こうも気にしないのでわざわざ謝らない。なんせソウルは人が多い。(日本では気をつけようと思ったけど、私の故郷はぶつかるほど人が多くなかった。)

接客…日本のほうが丁寧すぎると思っていたので(姿が見えなくなるまで見送りとか)全く気にならず。売り物の洋服に囲まれた中で、匂いのつきそうなチゲなど食べるのを見た時とかはいや〜さすが韓国だわ。面白い!
買わなくて文句言われた時は、一瞬ムッとくるけど、ま、日本じゃないしね、ですぐ忘れる。

街にゴミ…これも外国に住んでる証。

私はこんなふうに、あまり気に留めていませんでしが、こういうところが嫌だという人はよくいました。

同じことでも、楽しもうとするか、不快に思うかでだいぶ変わってくると思います。

思い描いていた留学生活と違ったと言って帰国する人もいたので、韓国留学を検討している人に会ったら無条件に勧めることはしませんでした。

憧れて、キラキラした目をしていたら、なおさら心配。

現実を見て失望しないだろうか?と。

ま、それも経験の一つと言ってしまえばそれまでですが。

意見を求められたら、憧れだけで行くにはお勧めしないよ、慎重に考えて、と。

かといって、あまりにも否定しすぎてやる気を奪うのも違うし。
意見を求められる意外は、口出ししないことにしていました。

私は、国も人と同じで、いい面(長所)とよくない面(短所)があると思っています。
完璧な人がいないように、完璧な国もないのかな、と。

韓国だけに限らず、留学しようとする国のいい面だけを見て留学すると、よくない面を知って失望してしまうこともある、ということを知っておくだけでも違うのかな、と思います。

長くなりました。

古き良き韓国文化〜へつづく

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