番外編〜MK〜
ここは触れておかないといけないでしょう。
多分私の人生でこの人以上に私を好きになってくれた人はいないと思う。
告白の時にこう言われた。
「父親にも電話した。結婚相手を見つけたと。」
ちょっと待ってくれぃ。私は今あなたと初めましてなんです。
急に結婚と言われても…!
タイミングがもう少し遅かったら結婚しても良かったかもしれない。
でも当時はまだまだ遊びたい22歳。
結婚はまだしたくなかった。
距離感がぶっ飛んでる韓国人。まだまだこの頃は狼狽えるばかりの私。
告白されて、友達から付き合いましょう、と返事してからというもの、MKは毎日家まで送り届けてれた。
日曜日にMKのシェアハウスに遊びにいったことも。
ブライアンやその他数人とシェアしてたMK。
MKの部屋に私が飲んだ後のストローが置いてあったのにはびっくりした。
もちろん綺麗に洗ってありましたが。
ちょっと色々理解できなかったけど、私のことを相当好きでいてくれてるらしいことだけは伝わった。
カラオケで、サザンオールスターズの愛しのエリーの‘エリー’の部分を私の名前に変えて歌ってきたり。大勢いる前で。
これはただただ恥ずかしかった。今思い出しても恥ずかしい。
そんなある日、私が病気になった(多分インフルエンザだった)ことがあった。病院も行けず、ご飯も食べられず、薬もなく、動けず、三日三晩うなされて。
その間、シェアハウスのみんながお粥を用意してくれたりした。
MKは快方に向かい始めた頃見舞いに来てくれた。(多分連絡が取れなくてすぐ来れなかった)
とにかくずっと私が寝ているベッドの傍についていてくれたのを覚えている。
なのに……
これほど愛されたのに、私の心が動かなかったのは何故…。
それからだいぶ経った後、風の噂でMKが結婚したと聞いた。
MKは早く結婚したかったんだろうな。
優しい人だったから、今はどこかで幸せに暮らしているだろう。
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