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読書 「覚悟の磨き方」著者:池田貴将
この本は、吉田松陰の考えを「超訳」した内容になっています。
吉田松陰という人物は、破天荒でありながら情が厚く、努力家で、将来の日本を思い革命を志した姿が印象的でした。そして、わずか30歳という若さでその生涯を閉じています。短い人生の中で、次々と大きな事件を巻き起こし、いまだに歴史に名を残しているのは驚異的で、偉大な功績だと思いました。
特に印象的だったのは、ペリー来航後のエピソードです。2度目の黒船来航の際、吉田松陰が甲板に乗り込み「学ばせてほしい」と願い出たという話。この情熱と勇気は、本当の話なのかと疑いたくなるほどの強い想いを感じさせます。また、「松下村塾」を開き、多くの人材を育てた教育者としての姿にも人望の厚さを感じました。
本書には、吉田松陰の思想をもとにした176の言葉とその解説が掲載されています。私が特に印象に残った言葉と、それを読んでの気づきを以下にまとめます。
印象に残った言葉と気づき
1. 嘆かなくていい
勝手に言わせておきましょう。あなたが本気なのは、神様はわかっていますから。
この言葉を読んで、私は自分が誰かに認められたいという気持ちから焦り、不安を感じていたことに気づきました。周りを気にしすぎるあまり、自分の本気さを見失っていたのかもしれません。もっと自分の本気を信じて、さまざまなことに取り組もうと思いました。
2. 恥ずかしがらずに手を差し伸べる
そもそも自分の志が浅いからです。あなたの助けはきっと必要なんです。知らんぷりするなんて、別に恰好よくありません。
「人を助けるには知識や経験が必要」と思い込んでいた私は、これを読んで大きく考えを改めました。人を思う気持ちこそが大切で、恥ずかしがらずに手を差し伸べることが、自分の志を深める第一歩だと感じました。
3. やってきたことのペースを守る
本物になるまで二十年。今がどんな境遇だったとしても、愚直に動いていれば、いつか大きな花が咲くことでしょう。
この言葉に「焦らない」「自分を追い詰めない」「人と比べない」という大切さを学びました。愚直に努力を続けることこそが、自分を成長させる唯一の方法だと気づき、少しずつでも確実に前進していこうと思いました。
4. 知識を血肉とするには
「人に教えること」を目的にしたときから学習の軸はぶれはじめてきます。「自分ならどう役に立てるか」堂々と答えられるような人になるんです。
私は、学びを「人に教える」ことを目的にしていました。その方が理解が深まると考えていたからです。しかし、なぜか知識が身についていないと感じることが多く、悩んでいました。この言葉を読んで、「自分ならどう役に立てるか」を軸に学ぶことの重要性に気づきました。これからは「役立つ学び」を意識していきます。
5. 集団の中で生きる
清廉:どんな人といても、自分を失わない。
協調:どんな人といても、その人に調子を合わせて楽しめる。
この言葉を読んで、私が集団や人間関係で悩んでいた理由が分かりました。他人の考えを尊重しながら、自分の意見を流されずに伝える。そのバランスが取れていなかったのです。これからは、他人を認めつつ、自分の考えも大切にしていこうと思います。
最後に
175. 祖先を想え
今のこの世界を残すために、自分の命を差し出した人たちがいます。彼らはなんのために命を捧げようと考えたのでしょうか。私たちは考えなければいけません。
この言葉を読んで、私たちが生きている今の世界が、多くの犠牲や努力の上に成り立っていることを改めて考えさせられました。その思いを受け止め、自分にできることを愚直に進めていこうと感じています。
この本との出会いは、私にとって大きな転機となりました。
今後は、この学びを行動に移していきたいと思います。