ワクワクする人生の育て方のパターン・ランゲージ 【🧡生き方研究家】
後期博士課程3年目に突入した今、改めて私(新田)がどういう研究をしているのかをまとめます。
研究テーマは、自分らしい「ワクワクする人生の育て方」です。もっと堅い言い方をすれば、「自分なりの生き方を創造し、 自身の特徴を活かした仕事で生活を営んでいく方法の探究と実践」をテーマに研究をしています。
現在の研究活動は、主に以下の3つです。
ワクワクする人生の育て方のパターン・ランゲージの作成
複線径路等至性アプローチ(TEA)を用いた人生径路分析
ワクワクする人生 100人インタビュー
まず1.に関して、私は「物事の本質を観て取り、言語化して記述するパターン・ランゲージという手法」を用いて、ワクワクする人生を生きるにはどのような実践をしていけばよいのか?を探究し、自分の人生で実践・実験しています。
きっかけは、学部3年次に半強制的に始めた就職活動でした。やりたいことも行きたい会社も、こうなりたいという憧れもないまま、とりあえず大企業を受けてみたり、尖って見えるベンチャーを受けようとしてみたり。
当然そんな状態で就活をして内定が決まるわけがなく、かと言って気持ちは焦っても行動が伴っていない(熱心に就活をするモチベは1ミリもない)状態で、行き着いた先は井庭教授への相談でした。
すると、「やりたいことがない、っていう個人的な悩みで終わらせずに、それを〈不思議〉と捉えて、研究してみたら?」と指導を受け(これがどれほど有難いことだったか、日毎に感謝が増しています)、修士課程に進学して、[人生の研究]という壮大なテーマに手をかけることになりました(笑)。でも正直、無知故にチャレンジできたともいえます。
そして当時は、理系なら修士はわかるけど、文系修士なんて未来ない!と私自身が思っていて、両親も不安だったと思います。
・・・長くなるので、ライフストーリー的な話は、暇な時に別途書こうと思います。
現状の「ワクワクする人生のパターン・ランゲージ」はこのようになっています!
まだまだブラッシュアップする余地があるので、頑張ります。
2.に関して、複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach: TEA)とは、異なる人生や発達の径路を歩みながらも、類似の結果にたどり着く」ことを示す等至性(Equifinality)の概念に基づいた研究方法です。
人が人生の様々な出来事を選択する際の葛藤や軋轢をみるために、社会的方向づけ(ex. 同調圧力、世間体、王道の進路…etc.)や社会的助勢(ex. 親の理解、応援してくれる人、ロールモデルの存在…etc.)を踏まえながらも、対象者自身の内的過程を捉えながら、どのような径路を辿って等至点(本研究であれば、「ワクワクする人生を生きる」)に至ったのかを具体に詳細に浮かび上がらせる・解き明かしてきます。
昨年11月の第20回質的心理学会では、パターン・ランゲージとTEAの方法論の掛け合わせによる、新しい人生研究の可能性として、「ワクワクする人生を生き、自分らしく未来をつくる生き方をつかむまでのプロセス」というタイトルで口頭発表をしました。
パターン・ランゲージは、研究対象者とともに「ある行為の本質」を掘り下げていき、目指す状態に至るための「よい実践」を抽出する、ということをします(マイニング・インタビュー)。それにより、個別具体的な事例を、他の人にも応用可能な実践知として記述することが可能になるのですが、特に人生のパターンにおいては、「その人の人生の具体的なストーリーこそが、人生の参考になる」という点も大いにあります。
そして、人生は時間軸が長いので、一つのパターンを実践したとしてその結果が出るのは3年後、10年後、もっと先の可能性もあります。その時、人生の先輩方の実エピソードをお借りして、「自分の場合だと、もしかしたらこうかもな?」と具体的に参考にできると、よりワクワクする人生を育てるということがやりやすくなるのではないか。
そう考えて、パターン・ランゲージで抽出したコツに、具体性をもう一度重ねることで、より人生研究として厚くできるのではないかと考え、TEAの手法を用いた研究を並行して行なっています。
TEAとパターン・ランゲージを掛け合わせることで、より実生活に活かしやすい研究成果になると期待されます。
今年中には、質的心理学会にジャーナル論文を投稿予定です!
ここまででかなり長くなってしまいましたが、最後に3.について書きます。
「ワクワクする人生のパターン・ランゲージ」は、自分の周りにいる憧れの人たち7名に行なったインタビューをもとに作成しました。
パターン・ランゲージは1名からクラフトすることもあるので、人数が内容の精度に影響するということはありません。
とはいえ、「生き方研究家」を名乗っていく上で、そして「人生」をテーマに掲げている研究者として、これ以上に多種多様、千差万別なものはない「人生」という研究テーマにしているならば、まずは100人の人生を聴かせてもらうことは重要だろう、と、昨年夏ごろから始めました。
現在までに41名の方にご協力をいただきました。
インタビューを依頼させていただく際は、ほとんど以下の2パターンです。
研究関連の場で出会い、「この人の人生を聴かせてもらいたい!」「ワクワクしているにおいがぷんぷんする・・!」と私が惹かれた人
そうしてお声がけさせてもらった方や、私の研究をよく知ってくれている方が「あの人にも聴いたほうがいいかもよ」と有り難く紹介してくれた人
折り返しまであと少しの本活動ですが、100人インタビューをしていくことで、人生の多様性、複線性はありながらもそのなかで共通するパターンが見えてくることはもちろん、一番の変化は「世の中には、こんなに面白い人たちがたくさんいたんだ」と、自分の目がその人たちを捉えられていなかったのだということに気づいたことです。
世の中がよりよくなっていくためにこんなふうに動いている人がこんなにもいるんだ、と肌で感じられる機会がたくさんあります。どうにかしていける方法があるかもしれない、自分もどうにかしてそういうことができるようになっていきたい、と思わされる日々です。
--
以上が、私の研究の現状です!これから、noteやfacebookで研究活動についてしっかり発信していこうと思います。
ぜひチェック、応援、ご協力をお願いいたします🙇
なお本研究は、2022年度より国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が支援する、慶應義塾大学における次世代研究者挑戦的研究プログラム「未来社会のグランドデザインを描く博士人材の育成」の助成を受けて行なっています。心より感謝申し上げます。
主に、書籍の購入代、研究関連の交通費に使用します。 サポート代から本の購入費を捻出できた場合、必ずその感想を投稿します。その他、noteで得られた費用は、使用用途を明記して、noteの更新に紐づけるつもりです。地道に、でも楽しみながら取り組んでいきます。応援よろしくお願いします!