あるいて、はしって、すべって、ころんで、
以前は全て難なくできていた劣等生の話。
お昼ご飯が全部は食べれなくなった。
半分は残してしまう。お腹は空いているのに。
食べきれなかった弁当を駅のトイレで食べた。待合室やホームには高校生がいて気まずいから、人生初の便所飯。推しの歌ってみたをヘッドホンに流す。ハンバーグを胃に流し込もうとするも、胃に入っていかない。吐き出す。流す。ご飯も吐き出す。咀嚼しただけなのに、本当に唾液で消化されるんだって分かるほどにはドロドロしていた。そこに人体の面白みを感じた。
課題の居残りがあった。今日は予定があるからと帰った。前は課題しないなんか考えられなかったのに。僕は弱い。本当に弱い。過去に戻れるとしたら、自分に向ける顔もない生活を送っている。ごめんよ、俺。
勉強ができなくなった。頭が悪くなった。圧倒的に阿呆になったなと自分でも思うほど。どうしようもない僕は道化になる。必要以上に馬鹿な振りして、思ってもないことを言って、本当の僕は何を思っているか分からないほどに僕は僕の顔を隠す。人生とは悲哀なのかもしれない。
生傷の絶えない腕。辞められない自傷行為。
僕は痛くて仕方がない。
心が痛いのに身体まで痛め付けて何をしているのか自分でも分からない。それでもリストカットしてしまうのは、見えない心を少しでも表現できると、目に見えると、代替することの出来ない安心感を感じるから。どうしようもない程に傷付いた僕はここから何処へ行くつもりなのだろうか。
笑えない。苦しい。痛い。辛い。何もかもが怖い。この世界は苦痛で仕方がない。
僕はここまで多分走ってきた。走らなくとも歩いてはいた。でもいつの間にかすべって転んでいた。もう動けないくらい、酷い傷も痛みも何もかも、僕は認識した。感覚が遅れてやってきた。僕はもう頑張れなくなった。まだ頑張りたかった。でも出来なかった。きっとこれからも出来ない。1歩も進めず、死ぬにも生きるにもなれない。
みんなごめんなさい。