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雨とお店のビニール袋

ずっと行きたかった書店、
カフェが併設されている。
先客の親子が帰ってゆき、
お客はわたしだけになった。
店員ふたりがすぐそばの客席に座り、
ノートパソコンを開いて
イベントの打ち合わせを始めた。
絵本に集中できず、だんたん居辛くなった。 
それでも気に入った本を購入することにした。 
精算後、かばんに明らかに入らない大きなサイズの本をそのまま渡された。
外は雨だった。
わたしは困惑してレジのお姉さんに袋をいただけないかとお願いした。 
雨が降っているから、と小さな声で言った。
本当は有料なんですが、今回はおつけしますね、と返事がきた。
すこしかなしくなった。
わたしは有料でももちろん払うつもりでお願いしたけれど、こちらが感謝すべきなのだろうか。
大切な本を濡らしたくないだけだった。

そのあと、別の書店にいった。
そこでもじっくり選んで本を買った。
そこのお店ではこちらからお願いすることなく
精算前に、袋はおつけしますかと店員のお兄さんは聞いてくださった。

さっきの言葉に引っかかった矢先だったこともあり、ほっとして、また来たくなるお店で良かったと思った。

また別の日に、近所の雑貨屋さんに行った。
買い物をして包装をお願いしたところ、
渡された袋にはすでにビニールカバーがかかっていた。
いま雨が降り出したので、つけておきますと、店員のお姉さんは微笑んでいた。
たしかに、外をみると、ほんの数分の間に夕立の雨が降り出していたのだった。
わたしはそのことに気が付かなかった。
とてもありがたかった。

インスタグラムだけでは、わからないことがある。

そして、このnote記事だけでもわからないことがある。