2024年秋(1)

なぜ君は姿を消してしまったのでしょうか。
君のことを考え、こうして文章にすることは、もしかすると単なる自己憐憫にすぎないのかもしれません。
物を書き、発表することは、顕示欲や卑しさのようなものと隣り合わせであると思います。
しかし、他人の目や、世間にどう読まれるかを気にしてばかりいると、なにも本音を書けなくなります。他人に良い意味で鈍感でないといけません。
 自身の抱えるモヤモヤを吐き出してすっきりしたいのです。そのことを潔く認めることにしましょう。つまり、この文章は、世の中を元気にしたいとか誰かを励ましたいというような、大それた理由などはありません。
ましてや君だけに向けたものでもありません。
なので君が読むか読まないかは関係がないのです。
外では涼しい風が吹き、虫の鳴き声がきこえています。