苦しかった時の話。part②
もう、仕事に行けない。
自覚してからは、
身体が自由に動かなくなりました。
気がつけば、
身も心もカラッカラに乾いていました。
音もなく、崩れるように。
パラパラ砂のように。
形をなくしたような感覚でした。
早朝に日差しで目を覚ますと同時に
〝絶望感〟
〝希死観念〟
涙が止まらず、
子供達に気づかれないように、
ただひたすら泣く。
どこから水分が出ているのか。
身体中の水分が出ているのではないかと言うくらい、
滝のように涙が止まりません。
枕もシーツもべちゃべちゃに。
子供の笑顔を見るのがつらい。
こんな母親でごめんなさい。
私が母親でごめんなさい。
一緒にいるのが辛い。
顔を見たくない。
家族と一緒にいることは、
私を追い詰めていきました。
夫はかける言葉が見つからなかったのでしょう。
ただ、抱きしめ、背中や頭をひたすら撫でてくれました。
なんとか起き上がり、
夫や子供達を見送った後は、
やっとのことで、
家事をゆっくりこなします。
全身に錘をつけたかのように
重い体を引きずる感覚。
泥のような感覚で、
いうことを聞かない身体。
ある日、上司に呼び出され、
正式に退職となりました。
律儀にお菓子なんか買って、、、。
(今思い返せば、要らなかったと思います。本当に。)
朝が始まれば、家族を放っては置けない。
なんとか、なんとかこなします。
ですが、身体が追いつかない。
朝起きては泣いて、
腫れた目を冷やして。泣いた形跡を消して。
子供達を見送っては泣いて。
子供達が寝静まったら、また泣いて。
ご飯もやっと口に入れ、
咀嚼し、
お茶で流し込む。
誰もみていないところで吐き出す。
消化器系統は、生きることを拒否している。
車に乗ると、
〝あぁ、誰か思いっきりぶつかってきてくれないかなぁ〟
毎日、横になりながら。
〝誰か、殺してくれないかなぁ。〟
〝病気にならないかなぁ〟
〝このまま、呼吸が止まらないかなぁ〟
〝朝が来るのが怖い、、、〟
本気で思っていました。
不思議とそんな時期には、
事故りかけても、事故らない。
(危険な運転を自らするほど、気力すらないので、事故を起こそうとできる訳でもありません)
信号無視してきた車も、
避けようとしなくても、
あと一歩のところで、ぶつかってはこなかった。
いつもは真っ先に歯にダメージがくるのに、
歯にもこない。
ただ、髪の毛が何ヶ月も伸びないのが、とても不思議でした。
光をなくした目も。
未だに印象深く、覚えています。
意識では死にたがっているのに。
身体は少ない栄養をちゃんと必要な場所に一生懸命に送ってくれているかのよう。
必死に自分を生かす自分の中にいる、
何かの存在を感じていたりしました。
死にゆく感覚、動かない心、
生かそうとする体の本能。
不思議な感覚に挟まれながらも、
歯磨き、洗顔、お風呂、着替え、、、。
当たり前のことが徐々に普通に出来なくなり、
夫がお風呂に入れてくれたりしていました。
もう、何もかもが苦痛。
生きるだけで精一杯。
そして苦痛。
送迎などもあったので、
寝たきりにもなれず、
生きるだけで精一杯ながらも、
実際に家事を完全にできなくなったのは
数日だったと思うのですが。
ふと見た仕事へ行く夫の後ろ姿。
子供達の表情。
あちこちに漂う、大きな影。
家庭が日中なのに、
真夜中かのような静けさと、
暗さが漂っていました。
夫は怒鳴り散らし、
子供達が泣く。
当たり前の日常を失い始めてから、
一月位経っていたでしょうか。
〝このままじゃダメだ。
死ねないならば、生きるしかないんだ。〟
と、思ったこと。
あとは。
信じられない方もいるかもしれませんが、、、
未来の自分の声が聞こえる。
それは、究極に追い詰められた自分自身の叫びだったのかもしれません。
その時は全く正常な精神状態ではなかったので。
医学的に、科学的に説明も証明もできません。
妄想かもしれません。
でも、
ただ、未来の自分の声が聞こえた。
手を握ってくれた。
そう感じたのです。
〝このままではダメだ。子供もダメになってしまう。未来を潰してしまう、、、〟
寝たきりのような生活から、
ついに、立ち上がることを決意します。。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?