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p.6【学び】女性にとって世界最悪の国

私が国際関係学を学ぶ中で、1番引っかかった国はコンゴ民主共和国。そう、このコンゴがこのnoteのタイトルの"女性にとって世界最悪の国"と呼ばれている国です。

コンゴはアフリカ大陸の中央部に位置し、1996年から20年以上にわたって紛争が続いている国です。しかし、コンゴのこの長期にわたる紛争のことを知っている日本人は少ないのではないでしょうか?
中東(アフガニスタン・シリア・イラク・パレスチナetc)で起こっている紛争はテレビや新聞のニュースを通して、日本に住む私たちにも届いています。現在のアフガニスタンの現状をテレビや新聞を通して知った方も多いのではないでしょうか?しかし、日本の報道機関は死者600万人を超えているコンゴの紛争をあまり(ほとんどと言っても過言ではない)報道しないため、日本ではコンゴで起こっている紛争や現状があまり知られていないんです。

ではなぜ、コンゴは"女性にとって"世界最悪の国なのか?その理由を見つけるためのキーワードが"豊富な鉱山資源"だと私は考えます。コンゴ東部は特に、鉱山資源(金・銅・コバルト・ボーキサイト・レアメタル等)が豊富な地域です。また、その地域にはたくさんの武装勢力が存在しており、女性への性暴力・レイプが後を絶ちません。(性暴力・レイプを行っているのは武装勢力などの反政府組織のみではなく、政府軍などの人も含みます)

UNFPA(国際連合人口基金)によると、1998年以降、推定20万人以上の"女性と少女"が性暴力の被害を受けたとされています。
この"女性と少女"という表現に注目してほしいです。

この"女性と少女"という言葉が意味するのは、性暴力・レイプを受けているのは10歳に満たない少女から80歳を超える女性まで、さまざまな年齢層の人々であるということなんです。

"年齢関係なく"ということは、性暴力・レイプはただ単に男性の性欲を満たすために行われているものではないということ。

より多くの鉱山資源を得るために、鉱山近くの村やコミュニティを攻撃する組織は、その組織の人の性欲を満たすためだけではなく、攻撃先のコミュニティを根本的に破壊するために性暴力・レイプを行っています。
性暴力・レイプをされた女性・少女はもちろん言うまでもないですが、精神的・身体的に大きなダメージを受けます。しかし、その性暴力・レイプは、敢えてその女性・少女の旦那や子供、家族の前で行います。そうすることで、自分の嫁や娘を守れなかった旦那や父親も計り知れないダメージを受けます。また、子供も同様に、自分の親が泣き叫び性暴力・レイプをされ、耐えている状態を見れば言うまでもなく、ダメージはかなり大きいですよね。


そうして、コミュニティを根本的に破壊していくことでそのコミュニティに住む人々のことを恐怖支配し、その恐怖支配した人々を鉱山で酷使させます。また、組織は、そうして得た鉱山資源を売って組織の活動資金としています。

つまり性暴力・レイプはお金のかからない、とても安価な武器であり、支配手段なんです。性暴力・レイプは核兵器と同じくらいのコミュニティを破壊する能力を持っているんです。このことから、性暴力やレイプは性的テロリズムとも呼ばれています。
コンゴ民主共和国は、日本から1万2000キロ以上も離れた国。もちろん物理的な距離はあるものの、コンゴも日本も同じ地球上の国。コンゴ人も日本人も地球市民。だから、私たち日本人がコンゴの女性・少女の人権問題に声をあげてもいいのではないでしょうか?

日本では女性の権利を求める声が上がり、少しずつですが社会が変わりつつあると思います。しかし、地球上には、そんな声すら上げられない、上げたら瞬時に殺される。そんな人々もいるんです。このことを忘れないでいたいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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