ナマズの軌跡〈後編〉ーナマズがナマズに慣れるまで
前回、私の旦那のあだ名がなぜナマズなのか、を遂に解き明かしました。
後編ではアフターザトークということで、新婚生活の至るところに出現するナマズを紹介したいと思います。
🐟
私たちは結婚を機に「一般社団法人なまずねこ」という架空の会社を、頭の中で設立します。
家族は、楽しく生きていく目的のために、協力し合う2人以上のまとまりですからね。完全なるおふざけですが、私たちはこの会社名を気に入っております。
ナマズに似ている旦那の一方、私は鼻と口の間が短く、手足も人より短いのでマンチカンみたいと言われることがありました。だからナマズに猫が足されたのです。
なんで僕はナマズなのに、りおは猫なの?と不満そうでしたが「なまずねこ」の語呂の良さに何も言えなくなってしまったようで、今では完全に受け入れてくれています。
架空の会社を設立して約半年、結婚式の準備が始まりました。結婚式場ではオリジナルカクテルを提供できるサービスがあり、カクテルの色、味、名前まで決めることができます。
ある休日にオリジナルカクテルの案を二人で考えていました。悩むことわずか1分。名前は「なまずねこ」でよくない?と閃きます。
そのままだとカクテルっぽくないから、ナマズを英語で調べてみよっかとスマホを取り出しました。そして、検索結果がなんと「catfish」
ナマズの中に猫がいるではないか!と二人で目を輝かせます。じゃあさ、じゃあさ、とあっという間にカクテル名が決まり、入籍のタイミングで”なまずねこ”設立してよかったね〜と呑気なことを言い合いました。
オリジナルカクテルの構想を胸に、プランナーさんと司会者の方にカクテルに込めた想いを説明する日がやってきます。
ーーー「Catfish cat」
これはどういう意味ですか?
私たち「なまずねこ」っていうんです。
…
二人の顔が硬直しました。絶対ヤバいやつだと思われました。急いで、ナマズとネコに似ているから、なまずねこの英語バージョンにしたんです!と説明しましたが、フォローになっていたかわかりません。
ですが、旦那がナマズに似ていると説明したところで、空気がふっと緩んだのを感じました。相手はお客様だから笑ってはいけないけれど、この可笑しさ堪えられない、そんな雰囲気です。
旦那がナマズに似ているって、どういうこと!と心の声が見えました。
私は待ってましたと言わんばかりに、泣いている顔がナマズにすごく似ているんですよ〜!とふたりに教えました。
この頃には、ナマズも自分がナマズと呼ばれることへの慣れがあったので「僕、ナマズに似てるみたいです」とにこやかに答えます。
そうやって、決まっていったオリジナルカクテルは可愛く仕上がりました。
結婚式当日、披露宴でオリジナルカクテルの説明がありました。「名前の由来は、新郎さんがナマズ、新婦さんがネコに似ているところから付けられたそうですよ」
会場が若干ざわめきます。ナマズに似ている人は中々いないのかもしれません。
一つ、気掛かりがあったとするならば、彼の親族に私が息子をナマズだと思っていることを、カクテルを通じて知られてしまったことです。
決して、馬鹿にしているわけではないんです!と声を大にして伝えたかったけれど、高砂とテーブルの距離が遠く、全くフォローできませんでした。
時は流れに流れ、私がnoteを始めます。皆様もお気づきのように、なんの迷いもなく旦那のことをナマズと呼んでいます。
ナマズにnoteの下書きを見せると「僕がナマズであること楽しんでるでしょ」と私の隠していた気持ちがバレていました。「でも、いいよ。ナマズで」と言ってくれるあたりが優しい。
そうやってナマズの優しさに甘えて、今回はナマズの軌跡を語ってしまいました。少し長くなったので、前後編でお届けしました。
書き出してみるとまだまだ我々「なまずねこ」の物語を書きたい気分になっていきます。
あ、そういえば、全然関係ない話。
noteのクリエイター名を変えたいと思っています。あだ名やペンネームに憧れていたのですが、開設当初は何も考えず自分の名前のままにしていました。
「なまずねこ」はどうでしょう。
クリエイター名を検索してみたら、なまずねこはヒットせず。今ならnote内で唯一無二のなまずねこになれる!!なんて考えてしまいました。
明日から、名前が変わっているかもしれません。
ナマズが登場するエッセイはこちら。