見出し画像

ゆとり第一世代。88年生まれの起業。

26歳で法人化し、2019年7月22日にco-step inc.は創業5周年を迎えた。co-stepは出資ゼロ・融資ゼロ・赤字ゼロで経営をしている。ひとりのディレクターが全職種の60%を担当することで、媒体に固執せず、マーケティング戦略とクリエイティブまでをワンストップで提供する。そんな会社をなぜ起業したのか?どういう想いでやっているのか?を紐解きたいと思う。第1回目は経営理念「いまを生きる」について。

起業しても5年以内に約80%が倒産。

画像1

みんな普通に会社に勤めていると思うが、実はそれ自体奇跡に近い。(諸説あるが)会社を設立しても約80%は5年以内に倒産すると言われている。

(参照「企業生存率のウソ?ホント?」https://www.strategicprofits.jp/blog/archives/800/)

GAFAが台頭するシリコンバレーの起業ブームを端に発し、日本でも多くの会社が誕生している。co-stepもそのうちのひとつ。24歳で個人事業主として独立し、26歳で法人化したco-stepは「出資ゼロ・融資ゼロ・借金ゼロ・創業以来連続黒字」で経営を続けてきた。シードアクセラレーターのピッチコンテストで優勝を飾る周囲の友人を横目に、なぜこのような起業の道を選んだのか。振り返ってみた。

平成31才の終わり。「いまを生きる」のはじまり。

画像2

・誕生 :バブル絶頂期に生まれてすぐに崩壊
・小学生:阪神大震災・山一証券の倒産
・中学生:9.11テロ・イラク戦争
・高校生:村上ファンド・ライブドア事件
・大学生:リーマンショック・就職浪人が誕生
・社会人:入社式直前に東日本大震災

僕たち1988年生まれは「平成=年齢」として共に年を重ねた。簡単な年表を書いてみたが、社会に出て働くまでに幾多の安心・安全神話が崩れ、学校で先生が教えてくれることと、実際に世の中で起きるギャップに違和感を感じながら学生時代を過ごした。僕の家庭はというと、父は住友新御三家として日本を代表するIT企業のサラリーマン。母とは社内婚という何ともバブルを象徴するようなストーリーだ。子どもの頃、僕が起床する前にはすでに出社していて、就寝後に帰宅。土日も返上で馬車馬のように会社に尽くしていた。そんな父の姿はいまでも鮮明に覚えている。

家庭を顧みないその昭和らしい働き方に正直、憧れは抱けなかった。なぜなら父が一生懸命働く現場とは全く無縁の世界経済のあおりを受けて、収入が変動していたからだ。自家用車のランクや外食に行く回数など、子どもながらに父の収入の変動で生活スタイルが変わる様子は感じていた。そんな父の姿を見て、自分ではどうしようもできない不可抗力によって、浮き沈みするような人生は送りたくない。子どもながらにそう感じていた。(ちなみに父はその後、出世競争に負け片道切符の出向をし今年、定年退職を迎えた。まさに半沢直樹の世界だ)

この88年生まれの人生がco-stepの経営理念「いまを生きる」を生んだのだ。第3者を信じ頼り、大人が敷いたレールの上を歩む人生がいかにリスキーなことか。降水確率50%の天気予報に、てるてる坊主を作って晴れを願ったところで、明日になってみないと「雨」か「晴れ」かはわからない。だったら、雨でも晴れでも楽しめる明日を迎えるために、今できることを全力で準備しよう。そんな願いを込めた理念となっている。

19歳で仕事をしなければ生きていけないという環境。

画像3

小学生から大学生まで10年間の陸上競技生活で中途半端な結果しか残せなかった僕はスポーツ推薦など取れるハズもなく、一般入試で青山学院大学に進学した。もちろん、陸上部に入部したが競技は2年ほどで競技を引退し裏方に回った。理由は、家庭の教育方針により、祖父の家に下宿し家賃はないものの、生活費を自分で稼ぐ必要があり、陸上と学校と仕事の両立をしなければならなかったからだ。19歳という年齢のときに「仕事をしなければ生きていけない」環境に強制的に置いてくれた両親に今では感謝したい。なぜならこの環境が僕の人生の価値観を大きく変えることになるからだ。

ルーティンワークでマニュアル通りのサービス業に絶望。

画像4

何も考えずに、ただお金を稼ぐために憧れのカフェで仕事を始めた僕はわずか1年であまりの辛さに絶望した。サービス業は、厳しいマニュアルがあり、自分で考え判断することを良しとしない文化だからだ。もちろん、自分で考え判断していては平等なサービスが提供できず、お客様を差別することになるため仕方のないことだ。しかし、これまでの陸上人生で常に目標を持ち、目標達成のために工夫をするという生活をしてきた僕にとって、マニュアル通りのルーティンワークでお金を稼ぐことは生き地獄だったのだ。自分の天職は?何のために生きるのか?まるで「ソラニン」や「僕が僕であるために」といった映画や音楽の題材になるような19歳らしい問いに悩み、考え、苦しんだ。

自分探しではく、自分作りをしよう。

画像5

半年近く悩み、苦しんだ結果、答えは何も出なかった。なぜなら、たかが19年間の人生。「働く」ことも「大人を生きる」ことも経験したことがなく、何も知らないからだ。ゼロの自分が何を考えてもゼロ。自分探しをしたってどこにも落ちていない。だったらひとつひとつ経験を重ねて、これは好き、これは嫌い。とシンプルに〇×を付けながら、自分を作っていこう。「自分探しではなく自分作りをしよう」と思うようになった。そして彼女のイニシャルの入ったガラケー時代あるあるなメールアドレスから「challenge-action@」に変えることで大学生活の信念を刻み、何がやりたいかわからなくても、やりたいことが分かったときにすぐに行動ができるようにどんな時代でも生き抜くことができる人間力を付けようと一念発起。カフェでのバイトを辞め、IT系ベンチャー企業で働く道を歩むことにした。

行動なき自問自答は不毛。答えは常に踏み出した先。

画像6

これは「いまを生きる」という経営理念に基づいた、co-stepの行動指針のひとつだ。悩むことは重要だが、ある一定悩んだら、実際にやってみて、検証をしながら、ゴールに近づけていくというのが方針だ。マーケティング/クリエイティブという領域は常に変化が求められる。多くの企業が何十年と変わらない方程式でマーケティング/クリエイティブを行っているが、人間の想いや行動は時代とともに変化している。方程式というのは他人を納得させるための事実(ファクト)を分析するために使うもので、それ自体だけでは価値はない。その分析に基づいた先にある人の心が動く解決策に価値があるのだ。

co-stepとは?
スポーツ・将棋の聖地、千駄ヶ谷に本社を構えるスタートアップ。創業以来、融資ゼロ・出資ゼロ・黒字経営を続けることで自らの会社をキャリア教育の実験室と置く。「感動への一歩目を共につくりつづける会社」として、マーケティング/クリエイティブ事業、スポーツ事業を通して「進路を共に一歩踏み出すキッカケを」の実現を目指す。
■マーケティング/クリエイティブ事業
全職種の60%をひとりのディレクターが担当することであるべきメディア設計を描いたマーケティング戦略と、媒体に固執しないユーザーに最も最適なクリエイティブを行うディレクター集団。
■メディア事業
初心者女子向けスポーツメディア「spoit」&スポーツレッスンのCtoCサービス「spoit-match」を開発中。

いいなと思ったら応援しよう!

林 諒‪|‬フィットネスDX
co-stepで働くスタッフでマガジンも更新しています♪ぜひ見てみてください^^