あめのちあめ、コーヒーはいかが
タイトルをうちこんだら、なんだかカタツムリが歩いているみたい。
細かい雨の朝。
外に出ると、足首をひんやりとした空気が包む。
雨が冬を連れてくるのかもしれない。
食器の片付けやら、とりあえずの掃除なんかが一段落して、コーヒーを入れた。
インスタントの粉がマグカップにざらっと入るときのにおい。鉄瓶のお湯を注ぐと、たちのぼる香ばしい香り。
ちゃんとドリップコーヒーを入れる日もあるし、インスタントで入れる日もある。
大切なのは、どちらも味わって飲むこと。
冷蔵庫に生クリームの残りを見つけて、コーヒーに浮かべるために生クリームを泡立てる。
ふと、ひとり暮らしをしていた頃の、雨の日を思い出した。
あのとき、雨の日の帰り道。
スーパーで安いロールケーキを買ってきて、安い生クリームを泡立てて、たっぷりロールケーキのまわりに塗った。なぜか残っていたアラザンをクリームにちらして。それから熱いコーヒーを入れた。
雨の日のロールケーキ、コーヒー。窓を開けて、雨を眺めながらコーヒーをのんだこと。
あの頃も今もうちにはテレビがなくて、雨の日は特に静か。
違うことは、今の家では窓を開けないと雨の音が聞こえにくいこと。
だから、わざわざ窓を開けて雨の音と雨のにおいを呼ぶ。
きっとまた、この先何回も思い出したり、忘れたりしていくんだろう。
雨とコーヒーの相性は、やっぱり特別。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?