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雨の日とコーヒーを好きな私が、シアトルを好きになるなんて当たり前のことだった。

午後5時を回った。やっとコーヒーやさんに入り、楽譜を作ったりメールを返したりと仕事をしている。


ニューヨークからシアトルに来るだけでも3時間の時差があることがアメリカの大きさを実感させるのだが、そのたった3時間のおかげで時差ボケを起こしている。

普段でさえ午前1時、2時ごろにベッドに入るので、今は朝方になるまで寝付けず、お昼近くまでなかなか起き出せない。

その日の一食目がルームメイトのネパール人が作ったカレーという、なんともパンチのある朝ごはんを摂る日々。カレーは具や味付けのバリエーションが豊富で、毎日とても美味しい。下手すれば3食カレー、もしくはアジア料理。


今日は朝からしとしとと雨が降っていた。それだけでもベッドでゆっくりしてしまう理由の一つとしては十分だ。

雨音を聞きながらやっとの思いで着替え、メイクをして、また少しうとうとして、起きたらカレー、メールチェック。

なぜかルームメイトは傘を持っていないので 雨足が強くなった外には出られず(シアトルは雨の街なのに、雨の街だからか、傘をさして歩いている人をほとんど見ない)、先ほどやっと車でコーヒーやさんに落としてもらった次第。

時差ボケな私の頭もやっと起き出し、まだまだクリスマスムードの残る店内で、これを書いている。


今回で3度めのシアトル滞在になるのだが、いちばんはじめに来ようと決めたのは、コーヒーカルチャーの生まれた街を見てみたいと思ったから。

世界中で愛されるスターバックス発祥の地であり、その後もタリーズコーヒーやシアトルズベスト、ゾッカコーヒーなどが生まれている。(先に言っておくと、私はスターバックス信者ではないのだが。)

現在サードウェーブといわれる流れのひとつ手前、セカンドウェーブと言って良いのだろうか、エスプレッソドリンクやアレンジドリンクを楽しむコーヒーショップはほとんどシアトルから生まれ、そのムーブメントを世界中に引き起こした。シアトル系カフェといわれるゆえんだ。

現在、豆の品質や淹れ方にこだわるサードウェーブといわれるコーヒーショップもシアトルには多く在り、シアトル系カフェも混在しているので、街を歩くと特にダウンタウンエリアでは1ブロックに1つはカフェがある。どこに入ろうか迷ってしまうほどだ。

私はコーヒーが美味しいことはもちろんだが、店員さんの声のかけ方や、どんな人が通っているのか、など、「コーヒーショップ」というコミュニティ自体にとても興味がある。


豆へのこだわりや生産者へのリスペクトが見られるサードウェーブのコーヒーショップが個人的には好きなのだが、ここまで様々な形態のコーヒーショップが根付いている街というのは、楽しい。シアトル以外ではなかなか見られない。



「私は雨の音を聴くのが好きだ。それは美しい雨の降る6月に生まれたせいだと思う。」

そういう書き出しの、バイオグラフィーのレポートをボストン留学時代に提出し先生にひどく気に入ってもらった。

このnoteをここまで書くのも相当の時間を費やしてしまったのは、時折、雨の降る外をどうしてもぼうっと眺めてしまうからだ。


シアトルには今日も美しい雨が降っている。
丁寧に淹れてもらったハンドドリップのコーヒーが美味しい。

私がシアトルを好きになるなんて、当たり前のことだった。

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まつり
まつりに美味しいコーヒーをご馳走してくださいっ