鹿児島の野ぼとけ5
とにかく大きいのである。
茶畑の端にひっそりと佇んでいるのだが、迫力がスゴイ。
高さ約190cmの庚申地蔵だ。
地方色溢れる表情。
鹿児島に地方色が溢れていない石仏の方が少ないのだが。
ぐにゃりと曲がった指で宝珠を握る。
そして巨体を支えるにはあまりにも心もとない小さな足。
アンバランスなはずなのに、アンバランスに見えない不思議な石仏である。
このあたりの古寺跡には庚申地蔵が残されていることが多いが、この地蔵は圧倒的に大きい。
誰の、どんな願いが込められているのか。
いつ建立されたのか。
全て謎だ。