武術的老子解説
原文
正を以って国を治め、奇を以って兵を用い、無事を以って天下を取る。
吾、何を以ってその然なるを知るや。
これを以ってす。
天下に忌韋多く、民、いよいよ貧す。
民に利器多く、国家、ますます昏し。
人に技巧多くして、奇物、ますます起きる。
法令、ますます彰かになり、盗賊、多く出る。
ゆえに聖人云う、我、無為にして、民、自ずから化す。
我、静けさを好みて、民、自ずから正し。
我、無事にして、民、自ずから富む。
我、無欲にして、民、自ずから樸なり。
解釈
正義を以って国を治め、奇策を以って戦争をし、平和的に天下を治める。
これが理想だ。
しかし、なかなか上手くいかない。
どうすればいいのか?
私が言うことを良く聞くがよい。
天下に禁止事項が多くなれば、国民はますます貧乏になる。
様々な技術が発達してくると、国民の不安が増す。
人が様々な技術を身に着けてくると、奇妙な事件が増えてくる。
法律が細かく明確になってくると、盗賊が増える。
ゆえに聖人は言う。
私が何もしなければ、国は自ずと治まる。
私が静かにしていれば、国民は正しく生きる。
私が普通にしていれば、国民は豊かな生活ができる。
私が無欲であれば、国民は素直に生きる。
コメント
師が、多くの禁止事項を設け、細かく説明すれば、弟子はますます下手になる。
何も語らず、おおらかにして、その技だけを見せれば、弟子はますます上達する。