武術的老子解釈
原文
兵を用いるに言有りて、吾あえて主と為さずして客と為し、あえて寸を進みて尺を退く。
これ無行の行と言い、無臂を攘い、無敵につき、無兵を執る。
禍は敵を軽んずるにおいて大なるは、なし。
敵を軽んずれば、いくらでも吾宝を失う。
故に兵で抗すこと、相のごとくなれば、哀しむ者が勝つ。
解釈
兵を用いるにおいて、こんな言葉がある。
「こちらはあえて戦いをしかけず受け身でいて、あえてわずかに進んでは大きく退く。」
これを無行の行と言い、見えない腕を振るい、見えない敵に付き、見えない兵を使う。
禍は、敵を軽んじる所から起きる。
敵を軽んじれば、どんなに財産があっても奪われる。
だから、拮抗する戦いにおいては、手を出されてしかたなく戦う方が勝つ。
コメント
相手の攻撃をわずかに迎えて、後方へと受け流す。
相手は大きく崩れ、身動きができなくなる。
こちらから攻めるときは、小さく攻めて、大きく退く。
相手には、大きく攻めさせること。
これが技をかける極意だ。