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shunsukesatake
武術的老子解釈
原文
小国にして民少なし、使うに什伯の器あるも用いず。
民、死を重んじて遠くに徒らず。
舟有りといえども、これ乗る所なく、甲兵有りといえども、これを陳ねる所無し。
人をしてまた縄を結び、これを用いず、その食を甘とし、その服を美とし、その居を安とし、その俗を楽しみ、隣国相望み、鶏犬の声相聞こえども、民をして老死に至るまで相往来せず。
解釈
人口が少なくて小さな国、たとえ逸材がいても活躍するときがない。
国民は生きることを大切に思い、その答えを遠くに求めない。
舟があっても乗る必要もなく、戦車があり、兵士がいても使うことはない。
人はまた文字をつくるが、それを使うこともなく、日ごろの食事を美味しいと思い、その服を美しいと思い、庶民の生活を楽しみ、すぐ隣の国を見て、鶏や犬の声が聞こえても興味はなく、年老いて死ぬまで行き来はしない。
コメント
武術を学ぶ者は少人数が望ましい。
大勢いれば、間違って伝わることもあるし、うわべだけの理解でまわりに吹聴する者もいる。
他流派に目移りしては、ごちゃごちゃと自分勝手な屁理屈を並べ立てて悦に入っている。
しっかりと自分の門派に腰を落ち着け、その技の妙を知ってそれを伝えていく。
こういう人材はきわめて少ない。
彼らにしか門派の奥義は伝わらない。