武術的老子解説
原文
大道廃たれて仁義有り。
慧智出でて大偽あり。
六親不和にして孝慈有り。
国家昏乱にして忠臣有り。
解釈
人としての道義が失われてくると、ルールやマナーが多くなる。
小賢しい知恵ばかりが横行すると、世間はおおげさに騒ぎ出す。
親兄弟が不仲になると、仲良くし、思いやって暮らすべきだと教えられる。
国家が乱れてくると、国のために戦うヒーローが登場する。
モラハラ、セクハラ、パワハラ・・・ハラスメントが増えてくるのは、何が廃れてきてるのだろうか?
コメント
基本が大切だと何度も実感できる者は、技の数を増やさない。
基本どおりにやっていたら、実戦には通用しないと思う者は、技の数を増やしていく。
技の数が増えれば、その質は薄くなっていく。
質が薄くなれば、効果が少ないので、また技の数を増やす。
しまいには、「基本は基本として、実戦ではコンビネーションが大事!」などと言いだす。
技の数を増やし、コンビネーションを増やしていった結果、もはや武術ではなく、格闘スポーツになっている。
その挙句に「結局は、技に囚われないで自由な発想が大事だ!」と言い出す。
武術の教えは、基本の中にあることを知らなければ、永遠に武術の外に武術の教えを探し続けることになる。
そしてとんでもなく勘違いしながら語る。
「水のように動くんだ。考えるな感じろ!」
かつてブルース・リーが言った言葉の受け売りだが、その意味は天と地ほども違う。
ブルースリーのジークンドーには、詠春拳の基本原理が貫かれていることを知らない。
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