武術的老子解説
原文
無為を為し、無事を事とし、無味を味とす。
大小、多少、徳を以って怨に報いる。
難をその易に図り、大をその細に為す。
天下の難事は必ずの易に作られ、天下の大事必ずその細に作らるる。
これを以って聖人、終に大を為さず、ゆえに能くその大を為す。
それ軽諾、必ず信、寡く、易多ければ、難必ず多し。
これを以って聖人、なおこれ難とす。
ゆえに終に無難となる。
解釈
無為を行い、無事であることを出来事とし、無味を味わう。
大と小、多いと少ない、恨みには徳、全て道に従っている。
難しいことは大雑把に考え、大きいことは、細かく分けて考える。
世の中の困ったことは、必ずカンタンなところから作られ、大きな事は、必ず細かいところで作られる。
これを見て聖人は、終生大きな事はやらずに、小さなことをやって大事を為す。
安請け合いは必ず不信を招き、カンタンなことが多ければ、その分、必ず面倒なことがおきる。
これを見て聖人は、カンタンな事を見ても難事とみなす。
だから、終生、難無く生きるのだ。
コメント
技の細かいところを見逃さないこと。
それはカンタンに見えるが、カンタンにはできない。
カンタンに見える技ほど、細かく複雑なもので構成されている。
物理的にカンタンでも、人間という動物にとっては難しいこともある。
その技のカンタンさの中に複雑さを視る目を養うことが大切だ。
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