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音楽と私

生まれて初めて聴いたレコードは、ビージーズのマサチューセッツとホリディが入ったシングル盤だった。

小学生だった私が、何故このレコードに反応したのかは、自分でも定かではないが、背伸びしたいお年頃に、ちょっぴり大人びた甘い感覚を求めたのかな。

そのレコードは、当時中学生だった兄の厳重な管理のもとに置かれており、「子ども」への貸し出しはされてなかった。
なので、兄が留守の時を見計らって、こっそりと…

心地良いメロディーに浸り、うっとり聴き入ってしまうものの、シングル盤なのであっという間に終わってしまう。
表を聴いて、裏返して聴いて…
何度も繰り返し、繰り返し。

https://youtu.be/MzJUkXhzMr0

高校生の時、クラスメイトから生まれて初めてLPなるものを借りた。
吉田拓郎の「人間なんて」

70年代フォークの虜となったきっかけの1枚だ。

当時、夢中で聴いていたアーティストは…
拓郎さんの他に、泉谷しげる、井上陽水、岡林信康、山崎ハコ、赤い風船、アリス、かぐや姫、風 等々

時代を反映した反戦を掲げるものや、社会の理不尽さや虚しさを歌詞に込めて熱く歌いあげるもの、など。
いずれもはっきりとしたメッセージ性を持ち、主張がとても明確で強烈なインパクトのあるものばかりだった。
思春期真っただ中の私にとって、それは内に秘めた情熱をぶつける先でもあり、行き場をなくしたモヤモヤのはけ口にもなっていたのだと思う。

寝ても覚めても…フォークにどっぷり。
定期試験前日でもお構いなしにライブの列に並び、結果、成績は惨憺たるものだったが、全く気にしていなかった。
(少しは気にしたほうが良かった)
あの頃、私が楽器を演奏出来ていたら、路上でギター抱えて歌う人になっていたかもしれない(笑)


毎夜、ラジオでオールナイトニッポンやセイヤングを聞き、読まれもしないリクエストハガキを書き、歌詞カードを暗記し、電車やバスを乗り継いでライブを見に行き。

わが青春ココにあり!
思春期の様々なトキメキがあの時代に詰まっている。

高校時代に、学生としての思い出は殆どない。
進学校だったので、来る日も来る日も勉強を強いられ、夏休みも8月中は連日補習で埋まるという過酷な状況だった。
先生は、淡々と事務的に授業をする人が多かったし、クラスメイトは、受験勉強が趣味のような子ばかりだったし。
もちろん、彼氏などというシャレたものもいなかったし。

何のために生まれて来たのか、自分の存在する意味はどこにあるのか
、そういうことが先行する頭でっかちのお年頃。
超人見知りで、周囲に溶け込めず、自分の世界に閉じこもり…
今にして思えば実に勿体ない学生時代だった。

本を読み、フォークを聴き、手作りをして、と、引きこもり一歩手前だった私が、よくぞここまでやって来れたものだ!と我ながら感心してしまう。

「私、スゴイ人見知りだから…」って言うと
「絶対嘘!」と、殆どの人は速攻で否定する。
基本的な性質は変わることはないと思うけど、歳を重ねていく中で人とかかわっていくことの大切さを知り、協調性を身に着け、自分を伝えることが少し上手くなってきたかな、と思う。


今は、手仕事をしながらだったり、PCに向かって作文をしたりすることが多いので、言葉のないジャズを聴くことが多い。
大人な気分で過ごしていると、何だか自分がちょっと良い女になったような気分に思えて来たりして~

殆ど錯覚です(-_-)


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