闇夜の敵
深夜3時。
目を開けても何も映らない真っ暗な部屋で
この時間になると、いつも感じるあの気配。
何度感じても慣れない、イヤな感覚。
体中がこわばる。
ジッと身構えるが
「それ」は不意を突いて急に目の前に現れる。
慌てて身をよじるが、そこにはもういない。
私をあざ笑うかのように目の前から姿を消し、
そしてまた、どこかから私を見ている。
私は覚悟した。
今日こそケリをつける。
そして無事に朝を迎えたい。
甲高い音の気配が耳の後ろで聞こえた。
「今だ!」
狙いすませ、私はそれを攻撃する。
「パチン!」
手ごたえはあった。
電気をつけ、手のひらを確認する。
そこには、夜の悪魔
『蚊』の、無残な姿があった。