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showhei0213
お告げ−1分で読める1分小説−
「それを作れば、彼がやってくる」
アーサーが眠っていると、夢の中で声が聞こえてきた。
「縦が105メートル、横が68メートルの長方形……」
そこでアーサーは目が覚めた。
会社に行き、その不思議な夢の内容を同僚のオリヴァーに話した。
オリヴァーが驚いた。
「おい、そりゃ映画の『フィールドオブドリームス』と一緒じゃないか」
オリヴァーが説明する。
突然アーサーと同じお告げを聞いた男が野球場を作ると、今は亡き名選手達が次々と姿をあらわし、試合を行うという映画だった。
「ここはイギリスだ。そして縦が105メートル、横が68メートルといえば……」
アーサーが声を上げた。
「サッカー場だ」
「そうだ。サッカーの本場、イギリス版のフィールドオブドリームスだ」
アーサーは仕事を辞め、貯金をはたいてサッカー場を作ることにした。
オリヴァーの応援もあって、ついにサッカー場は完成した。
その夜アーサーが寝ていると、急に外が明るくなった。
あわてて家から出ると、宇宙船が上空から降り、サッカー場に着陸した。
そこから宇宙人があらわれた。
「やあ、ありがとう。我々の宇宙船の着陸場を作ってくれて」
「宇宙船の着陸場……? サッカー場じゃないんですか?」
「なんだいそれは?」
「もしかして宇宙船のサイズは、縦が105メートル、横が68メートルの長方形ですか?」
宇宙人がにこりとうなずいた。
「そう、ピッタリそのサイズだ」
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